国内各地にて、毎年のようにゲリラ豪雨が発生しています。とくに夏場の被害は大きく、一次 産業・二次産業などに携わる方々のなかには「生産活動にまでダメージを受けてしまった」というケースもあるのではないでしょうか。強烈な雨風や浸水被害による設備・製品の破損は大きな被害に膨らみ、最悪の場合は人命にまで危険を及ぼす可能性もあります。
そこで、本記事ではゲリラ豪雨の仕組みや発生原因を解説するとともに、あらかじめ実施できる対策について、主に生産拠点を持つ工場関係者の方々に向けてご紹介していきます。
ゲリラ豪雨とは
ゲリラ豪雨とは、短期間で局所的に降る激しい雨のことです。以前までは「夕立」と呼ばれていましたが、近年ではその激しさや、いつ・どこで発生するのか予測が難しいことから「ゲリラ」という名前をつけて呼ばれるようになりました。その他にも気象用語として「局地的大雨」と呼ばれることもあります。
地球温暖化が進み、異常気象が毎年のように報告される昨今では、ゲリラ豪雨の発生が増加傾向にあると考えられます。ゲリラ豪雨の原因となる積乱雲は、竜巻やヒョウなどの気象現象を招く恐れがあり、突然的な発生には注意が必要です。
ゲリラ豪雨が起こる原因・仕組み
ゲリラ豪雨は、急激に発達した「積乱雲」が原因となり発生します。強烈な日差しにより地上付近の空気が暖まり、上昇気流が発生することによって大気の状態が不安定になります。その際に暖かい空気が上空へと昇り、一方で冷たい空気が地平へ降りようとすることで対流が起こり、積乱雲が発達しやすくなるのです。
また都市部では、空調や自動車から発生する人工排熱量が多いことや、アスファルトやコンクリートが熱を反射することから「ヒートアイランド現象」が発生しやすいと考えられています。地方部よりもゲリラ豪雨が発生する可能性が高く、とくに気温が高まる夏場には注意が必要となるでしょう。
【工場関係者向け】ゲリラ豪雨により想定される被害
ゲリラ豪雨は日常生活のみならず、経済活動にも大きな影響を与えます。本記事ではとくに工場関係者の方々に向けて、ゲリラ豪雨によって想定される被害を解説いたします。
工場施設が破損する
ゲリラ豪雨は強烈な雨風をもたらします。とくに強風ではモノが飛ばされて、物理的な被害が出る恐れもあります。たとえば天井や壁に穴が空いてしまうことがその一例です。最悪の場合は雨漏りが発生して、被害が膨らむ可能性も考えられるでしょう。
また、雨漏りを放置すると「サビ」の原因になる恐れもあります。サビは放置すると腐食が進み、修理が必要になることも。とくに食品加工の施設では、サビの発生した部分から外気や害虫が侵入することで、製品の安全性に危険を及ぼす可能性もあるでしょう。
事故が発生する
降水量が増加すると、河川が氾濫する恐れもあります。従業員の安全に影響を及ぼすことも考えられるため、とくに川沿いに生産拠点を構える場合には避難が必要となるでしょう。勤務時間中に発生した事故は労災となる可能性が高く、雇用主には最大限の安全配慮が求められます。生産稼働が停止する
浸水が発生した場合は、安全配慮の観点から生産稼働を停止せざるを得ない状況になるでしょう。工場施設が破損した場合、修理が終わるまでの期間は生産が滞る可能性も考えられます。納品が遅れた分の賠償責任や機会損失を考えると、被害金額は高くつく可能性もあるでしょう。修理費用も高くなる恐れがあるため、損害保険に加入しておくのが無難です。【工場関係者向け】ゲリラ豪雨の対策
ゲリラ豪雨などの自然災害は「事前にどれだけ対策ができているのか」が鍵となります。自然災害の発生自体を防ぐことはできませんので、実際に被害が発生した場合に備えて、下記のような対策を行いましょう。
ハザードマップを確認する
ゲリラ豪雨が発生した際に、もっとも重要となるのは従業員の人命確保です。国や各自治体から発行されているハザードマップに目を通して、自分たちの工場施設は「どれほどの災害リスクがあるのか」を事前に確認しておきましょう。災害リスクをあらかじめ想定できていれば、取るべき対策を具体的に考えられます。また、避難所を把握しておくことで緊急時でも迷わずに避難指示を出せるでしょう。土のう袋・止水パネルを用意する
浸水被害に備えて「土のう袋」「止水パネル」を用意しておくと安心です。土のう袋とは、土や砂を含んだ袋のこと。止水パネルとは、水をせき止める板のことを指します。災害が発生した際に、これらを工場施設の入り口付近に設置すれば、浸水被害を最小限に抑えることができるでしょう。しかし、土のう袋は購入費用こそ比較的安く抑えられますが、災害時に持ち運ぶには重く、隙間から水が侵入してきてしまう可能性も考えられます。大きな災害に備えて、しっかりと対策を実施したい場合は止水パネルの方がおすすめです。また、実際に浸水被害が起きた後のことを想定して、業務用モップを用意しておくと良いでしょう。水はけの良い「ワイパー」や「吸水ローラー」があれば、比較的早く復旧作業を進められるはずです。
※浸水被害が大きい場合は危険ですので、無理に復旧作業は行わず、各自治体や消防署などの指示に従って対応してください
日頃から工場施設のメンテナンスをしておく
屋根や壁などの工場施設のメンテナンスは常日頃からしておきましょう。穴が空いていたり、サビが発生していたりすれば、災害時の被害が想定よりも増大してしまう可能性も考えられます。欠陥があればすぐに修理業者に依頼をして直してもらうようにしてください。また、普段から排水設備を掃除しておくことも大切です。排水溝はゲリラ豪雨の際に雨水を排出する役割を果たします。ここにモノが詰まっていては、うまく水が流れずに逆流して溢れかえってしまうでしょう。こまめに掃除をして、水が流れる状態を保つようにしてください。
屋根を補強する
ゲリラ豪雨に備えて、あらかじめ屋根を補強しておくことも有効な対策です。屋根を二重にする「カバー工法」であれば、工場の生産稼働を止めずに工事をして、耐久性を高めることができます。また、防水コーティングを施せば水はけが良くなり、サビを防ぐこともできるでしょう。工場で実施するべき水害・浸水対策については下記記事もご確認ください。
工場で実施するべき水害・浸水対策8選!おすすめの工事やポイントも紹介
工場のゲリラ豪雨対策は綿半ソリューションズにお任せください
綿半ソリューションズでは、工場施設の関係者様に向けてゲリラ豪雨対策のサービスを提供しています。
たとえば水の浮力で自動作動する「防水板」は、無人環境・停電時でも浸水を防げることから、数多くの工場施設で導入いただいています。また「雨水貯留浸透槽」では、雨水を一時的に地下に溜めたり、浸水させたりすることで、雨水が急激に流水することを避けることができます。その他にも、雨樋のオーバーフロー対策として「バイパス樋」をご提案させていただくことが多いです。雨樋を分散させて、一箇所にかかる負担を軽減することで、大量の雨水を効率よく建物の外に排水できるようになります。雨漏りによる浸水を防ぎ、安定した生産稼働を維持することが可能です。
また、屋根を補強する「カバー工法」も実施しています。40年以上も前から取り組み、過去の施工数量は600万㎡超。独自の開発施設「綿半技術センター」では工法の改良を行っていますので、業界内でもトップレベルの知識・実績を誇ります。
自然災害の対策でお困りのことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。現地調査は無料で伺いますので、お気軽にご連絡くださいませ。