「瓦棒葺き屋根(かわらぼうぶき)」という屋根の種類をご存知でしょうか。その特性から、安全性の求められる工場施設などで設置されているケースが多く、一度は目にしたことがある方も多いでしょう。瓦という名前から「瓦屋根」と間違われることがありますが、別の屋根材が使われており、じつはまったく異なるものなのです。
本記事では主に工場関係者の方に向けて、瓦棒葺き屋根の特徴について、メリットやデメリットを中心に解説いたします。また、併せてメンテナンス方法もご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
瓦棒葺き屋根とは

瓦棒葺き屋根とは、芯木という瓦棒のうえから金属板を取り付けた屋根のことです。特徴としては、屋根の棟から軒に対して屋根材が直角に取り付けられており、縦じま模様の見た目をしている点が挙げられます。
瓦という名前から、時折「瓦屋根」と間違われることもありますが、「瓦棒葺き屋根」では、瓦ではなく金属製の素材が使われているため、これらはまったく異なるものなのです。一昔前までは、屋根材として「トタン」が使われていましたが、近年ではより錆びにくい素材である「ガルバリウム鋼板」が使われるようになりました。
瓦棒葺き屋根のメリット

瓦棒葺き屋根は、その特性からさまざまなメリットがあります。ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介いたします。
軽量で耐震性が高い
瓦棒葺き屋根の素材としてよく使われている「ガルバリウム鋼板」は、金属のなかでも比較的軽量な屋根材として有名です。たとえば地震が起きた際には、重量のある屋根材では倒壊のリスクが高くなりますが、軽量の屋根材では建物にかかる負担が軽減されて、そのリスクも低くなります。
また、金属製のため、頑丈で崩れにくい点も特徴として挙げられます。とくに「ガルバリウム鋼板」は300度〜350度の高温にも長時間耐えられる耐熱性の高さと、約20年〜25年の耐用年数と言われる耐久性の高さを兼ね備えており、他の屋根材と比べても見劣りをしません。
雨漏りのリスクが低い
瓦棒葺き屋根は、屋根の継ぎ目が少ないことや、錆に強いガルバリウム鋼板を使っていることから、雨漏りが起きにくい傾向にあります。また、棟から軒までを凹凸の少ない1枚の屋根板で覆われているため、排水性が高いという特徴を併せ持ちます。
一度雨漏りをしてしまうと、屋根修理のために費用がかかってしまうほか、室内に水が入り込んで床や壁にまで影響を及ぼす可能性があるでしょう。とくに集中豪雨が多発している近年では、雨漏りのリスクを減らせる屋根であることは大きなメリットだといえます。
比較的安い
瓦棒葺き屋根の工事は、基本的に芯木のうえから屋根材を取り付けるだけで完了します。傾斜の緩やかな「一寸勾配」でも施工できることから、他の屋根材よりも設置が簡単で、工事費用を比較的安く抑えられるでしょう。
瓦棒葺き屋根のデメリット

瓦棒葺き屋根にはさまざまなメリットがある一方で、捉え方によってはデメリットも存在します。ここでは代表的な3つのデメリットをご紹介いたします。
瓦棒が腐食する
瓦棒葺き屋根の土台として使われている「瓦棒(=芯木)」の部分は、雨水を吸収しやすい特徴を持ちます。一度軒から雨水を吸い込んでしまうと、瓦棒の腐食が急速に進み、屋根の劣化が早まる可能性があるでしょう。腐食を放置をしておくと、最悪の場合は強風で屋根が剥がれ飛ぶ可能性もあるため、注意が必要です。
断熱性・遮音性が低い
瓦棒葺き屋根は、基本的に「トタン」や「ガルバリウム鋼板」などの金属製の屋根材で作られるため、建物のなかに熱を通しやすい傾向にあります。気温が高い夏場は室温が高くなり、一方で気温の低い冬場は室温が低くなってしまうでしょう。とくに工場施設などの敷地面積が広い建物では、その分だけ空調を整備しなければならず、別途ランニングコストが必要となる点に注意が必要です。また、金属製の屋根材なので遮音性が低く、室内の音が外に響き渡る可能性があります。早朝や夜中に作業を行う場合には、周辺住民への配慮が必要となるでしょう。
錆が発生する
金属製の屋根では、設置から時間が経過するとともに錆が発生してしまいます。近年では「ガルバリウム鋼板」を使う場合が多いため、「トタン」と比較すれば錆は発生しづらいですが、それでも完璧に防ぐことはほぼ不可能でしょう。錆を放置しておくと、雨漏りや倒壊の原因になる恐れもあるため、定期的なメンテナンスが必要となります。
瓦棒葺き屋根のメンテナンス方法

瓦棒葺き屋根の代表的なメンテナンス方法をご紹介いたします。
※本記事でご紹介する費用はあくまで目安となります。実際の工事費用は、専門業者・屋根の状況・工事時期などに左右されるため、詳細は御見積でご確認ください。
塗装
塗装とは、屋根表面の塗料を塗り直す工事方法のことです。塗装剥がれを修理することで外観を綺麗に保つほか、防水加工を施して雨漏りを防ぐ役割を果たします。比較的簡易な工事のため、工事期間は短く、且つ費用を安く抑えられる点が特徴です。
■1平米あたりの費用相場
費用目安:4,000円~7,000円前後
カバー工法
カバー工法とは、屋根の上から新しい屋根を被せる工事方法のことです。屋根が二重になるため、その分だけ耐熱性や防水性が高くなります。また、既存の屋根を残した状態で工事を進めるため、工事期間中でも操業を継続することが可能です。
一方で、重量が増すことから耐震性が低くなるという点がデメリットとして挙げられます。建物の状況によっては施工できない場合もあるため、まずは専門業者に現地調査をしてもらいましょう。
■1平米あたりの費用相場
費用目安:5,000円~8,000円前後
葺き替え
葺き替えとは、既存の屋根を一度撤去して、新しい屋根を設置する工事方法のことです。屋根材をすべて剥がすため、劣化した屋根の下地(防水機能を持つルーフィングシート)から張り替えられます。
一方で、他の工事方法と比較して工事期間が長くなるほか、屋根の撤去費用が別途必要となるなどのデメリットがあります。工事を依頼する際には、複数の専門業者に連絡をして、相見積をとったうえで発注を決めましょう。
■1平米あたりの費用相場
費用目安:5,000円~8,000円前後
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