工場の屋根修理を検討している方のなかで、予め費用相場を把握したい方も多いでしょう。
本記事では、屋根の種類や工法別に費用相場を解説するほか、専門業者を選ぶ際のポイントまで解説いたします。
業者に依頼する前にぜひご確認ください。
工場・倉庫の屋根の種類
屋根の種類によって修理の方法や費用が異なりますので、まずは屋根の種類を把握しましょう。
また、屋根のタイプによってメリット・デメリットが異なりますので、それぞれの特徴を理解したうえでご検討ください。
工場等の屋根の種類は、主に下記3つのいずれかに該当します。
- 波形スレート
- 瓦棒葺き屋根
- 折板屋根
それぞれご紹介いたしますので、ぜひ貴社の屋根と照らし合わせてご確認ください。
波形スレート
波形スレートは、セメントと繊維を混ぜ込んで波形に成形された板のことです。
比較的安価な屋根材板で、耐久性・耐火性・遮音性に優れている特徴を持ちます。
一方で、ホコリが付着しやすく汚れやすかったり、金属ボルトが錆びて雨漏りの原因になったりなどのデメリットも挙げられます。
また、2004年以前に製造されたものにはアスベストが含まれています。
アスベストは飛散による健康被害が問題視され、2004年に使用を禁止する法律が定められた建材です。
撤去には危険を伴うため、処分時には多額の費用がかかるとされています。
瓦棒葺き屋根
瓦棒葺き屋根は、一定間隔で並べた心木の上から、ガルバリウム鋼板等の金属屋根材をかぶせて固定する方法の屋根です。
心木とは屋根材を支えるための骨組みの役割を果たす棒のこと、ガルバリウム鋼板は、耐久性と耐腐食性に優れた金属製の素材のことをいいます。
軽量で、継ぎ目が少なく雨漏りのリスクを軽減できるため、傾斜の緩い屋根に採用されやすいのが特徴です。
一方で、経年劣化により心木が腐食してしまうと金属屋根材を固定する強度が弱まり、破損や飛散の可能性があるため、メンテナンスが必要になる点にも注意が必要です。
折板屋根
折板(せっぱん)屋根は、ガルバリウム鋼板等の金属素材を大きな波型に成形した屋根材を用いて作られます。
金属製なので軽量ながら高い強度を持つのが大きな利点です。波形のため、強風の影響を受けにくく耐風圧性・排水性にも優れています。
また、野地板(屋根の下板地)が不要なため、工事期間が比較的短く済む点も特徴といえます。
一方で、金属製なため夏場は高温になりやすかったり、雨音が響きやすかったりなどのデメリットもあります。
また、錆びてしまう可能性もあるため、別途対策やメンテナンスが必要になる点にも注意が必要です。
かつては、工場の屋根には波形スレートが採用されていましたが、最近では折板屋根を採用するケースも増えてきました。
波形スレートのうえに折板屋根を重ねるカバー工法も行われています。
綿半ソリューションズでもWKカバー工法を実施しており、スレート屋根改修工事実績は全国トップクラスなので、興味のある方は、ぜひこちらの詳細からご確認ください。
工場や倉庫の屋根材のメリット・デメリット
ここからは波形スレート・瓦棒葺き屋根・折板屋根のメリットとデメリットをお伝えします。
波形スレートのメリット
波形スレートが選ばれる理由は、耐用年数25年以上という優れた耐久性が真っ先に挙げられます。
法定不燃材料に指定されるほどの耐火性や、音漏れが少ない遮音性の高さもメリットです。
税制面では、同じ波形スレートで屋根を葺き替える場合は一括損金で処理できる利点もあります。
波形スレートのデメリット
波形スレートは表面に凸凹があるためほこりがついて汚れやすい素材です。
また、アスベストが含まれている可能性や、一時期質の悪いスレートが出回ったせいで耐用年数が低いスレート屋根がある点がデメリットと言えるでしょう。
工場・倉庫で使われているスレート屋根については下記記事もご確認ください。
工場・倉庫の屋根に使われているスレートは2種類ある!劣化した際の改修方法も解説
瓦棒葺き屋根のメリット
金属製の瓦棒葺き屋根は、軽量なため建物に負担がかかりにくいメリットがあります。
また、施工が簡単なため工事費用を抑えられます。
さらに、屋根の継ぎ目が少なく排水性の良い屋根なので、雨漏れしにくい点が嬉しいポイントです。
瓦棒葺き屋根のデメリット
瓦棒葺き屋根は金属製のため遮音性・断熱性・遮熱性の低さが気になります。
たとえば、金属でできているせいで雨が降ったときに雨音が響いて気になってしまうかもしれません。
金属の屋根は熱の移動も防ぎにくい点に注意しましょう。
折板屋根のメリット
折板屋根は耐久性が高く、低コストで短工期という特徴があります。
金属屋根のため、水はけが良く軽量でもあります。
屋根に負担がかかりにくい建材を探しているなら、折板屋根を検討してみましょう。
折板屋根のデメリット
折板屋根には金属屋根ならではのデメリットがいくつかあります。
まず、熱の移動が発生しやすい素材のため、断熱性・遮熱性が低い傾向にあります。
雨が降ると音が響いたり、錆びて雨漏りしたりする恐れも。これらのデメリットを加味した上で導入しましょう。
工場・倉庫に使われる屋根の種類
また、屋根材の種類によって修理の方法や費用が異なることがあります。
そのため、屋根材の種類についても理解をしましょう。
波形スレート
セメントと繊維を混ぜて波形に成形した屋根材です。
戸建て住宅によく使われる化粧スレートと呼ばれるものと同じ建材です。
波の幅が大きいものは「大波スレート」小さいものは「小波スレート」と呼ばれ、後者は外壁にも使用されます。
耐久性・断熱性・遮音性・耐火性に優れているため、人気の高い建材でしたが、
2004年までは強度を高めるためにアスベストが用いられており、危険性が指摘されていました。
スレートに含まれるアスベストは、建物の使用程度では基本的には飛散しませんが、
破損や解体の際には、適切に処理しなくてはなりません。
2005年以降は、アスベストの代わりに繊維が用いられています。
折板屋根
ガルバリウム鋼板などの金属板をじゃばらのように折り曲げた形の折板屋根は、倉庫・工場などに一般的に使われている屋根材です。
じゃばらに折り曲げることで強度が増しており、軽い金属なので建物に負担をかけないメリットがあります。
ただし、固定のボルトを打った部分からサビが生じやすい欠点があります。
また、雨音が響きやすい点もデメリットです。
瓦棒葺き屋根
瓦棒葺き屋根とは、一定間隔に並んだ木材の芯木を包むように金属板を葺く屋根です。
芯木を使わずに、吊子を使用するタイプもあります。
瓦棒葺き屋根の建物は倉庫や体育館によく使われています。
水はけが良いため、緩い勾配の屋根にできることも特長です。
金属製で安価なトタンを屋根材として使ったプレハブ小屋も多くありましたが、
現在では、トタンの代わりにガルバリウム鋼板が主流になっています。
軽量で耐震性に優れている点も、選ばれる大きな理由です。
ただ、ガルバリウム鋼板も金属製なので、サビやすく遮音性が低いデメリットがあります。
断熱性・遮熱性も低い点も注意が必要です。
屋根修理における工法別の費用相場
工場や倉庫の屋根を修理する場合、工法に応じて費用相場は異なります。
主に下記3つの工法が用いられるので、それぞれ特徴や費用相場を把握しておきましょう。
- 塗装工事
- カバー工法
- 葺き替え
※こちらでご紹介するのはあくまで "目安” となる相場で、実際には工事会社・工事規模・工事時期によって変動しますので、参考までにご確認ください。
塗装工事
塗装工事は屋根の汚れを除去したうえで上から塗料をぬる方法です。比較的軽度な修理のため、工事期間が短く、費用も抑えられる傾向にあります。
ただ見た目を直すだけではなく、防水・防汚コーティングを施すなど、建物を改めて保護する役割も果たします。
一般的には10年前後で防水機能が切れてしまうと言われるため、定期的にメンテナンスが必要になるでしょう。
- 1平米あたりの費用相場
- 波板スレート:5,000円〜8,000円前後
- 折板屋根:4,000円〜7,000円前後
カバー工法
カバー工法は今ある屋根のうえに新しく屋根を重ねる方法のことです。屋根を処分する必要がないため、その分だけ費用を安く抑えることができます。
工事後には屋根が二重になるため断熱性や防水性が高まると考えられるでしょう。
また、2004年以前に製造された波板スレートの屋根でもアスベストを飛散させることなく改修できるため、その点は大きなメリットといえます。
ただしカバー工法では屋根が重くなるため、建物によっては工事不可な場合もある点にご注意ください。
▶ 屋根カバー工法はデメリットだらけって本当?後悔しないためのポイントを解説
- 1平米あたりの費用相場
- 波板スレート:8,000円〜10,000円前後
- 折板屋根:5,000円〜8,000円前後
葺き替え
葺き替えは、既存の屋根を撤去した後に新しく屋根を取り付ける方法です。
屋根ごと替えることから耐用年数が高まるメリットがある一方で、既存の屋根の撤去や処分にかかる費用が高くなる傾向にあります。
また、2004年以前に製造された波板スレートの屋根を撤去する場合には、アスベストの飛散を防ぐために別途対策が必要となるため、
さらに費用がかさむ可能性もあります。工事を依頼する場合には必ず相見積をとってから検討しましょう。
- 1平米あたりの費用相場
- 波板スレート:24,000円〜30,000円前後
- 折板屋根:13,000円〜18,000円前後
工場・倉庫の屋根修理で業者を選ぶポイント
専門業者を選ぶ際にはいくつかポイントがあります。
なかには悪質な業者も存在するため、少なくともこれからご紹介する2つのポイントだけは確認するようにしましょう。
建築業許可証の有無を確認する
建築業法上、施工価格が500万円以上になる場合には建築業許可証が必要となります。屋根が大きい工場の場合には建築業許可証を持つ専門業者に依頼する必要がありますし、そうでない場合でも公的機関からの証明を受けているのは信頼に値しますので、参考までに確認すると良いでしょう。
過去の実績から選ぶ
屋根修理は高度な技術を伴います。そのため会社の歴史が長く、屋根修理において高い実績を挙げている業者を選んだほうが無難です。とくに屋根修理の成否は工場の運営にも関わることです。手違いが起きて工事期間が伸びたり、修理で不手際が生じて雨漏りが起きたりなどといった失敗を少しでも避けるためにも、実績のある業者を選びましょう。
工場・倉庫の屋根修理なら綿半ソリューションズ
工場の屋根のお困りごとなら、綿半ソリューションズがおすすめです。お客様のご要望にお応えするために、常に工法の改良や新しい工法の開発を行っています。本記事でご紹介したカバー工法(WKカバー工法)も、1983年の施工開始以来、総施工面積600万㎡以上の実績を有しています。今まで積み上げてきた経験と技術をもとに、お客様に適切な屋根修理をご提供いたします。
操業を止めずに修理できる
綿半ソリューションズのWKカバー工法であれば、工場内部にある設備を移動させる必要もないため、工事期間中でも操業を止めることなく修理が可能です。また、屋根に穴を開けないインダイレクト工法を採用しており、工事中でも漏水が起こる心配もございません。
さまざまな種類の屋根に対応
綿半ソリューションズでは「スレート」「折板」「瓦棒葺」など、さまざまな種類の屋根に対応しています。修理のBefore/After画像は下記の通りです。いずれの屋根でも過去多くの修理を経験しており、安心してお任せいただけます。
スレート
特殊車両製造工場(神奈川県)
折板
自動車関連工場(神奈川県)
瓦棒葺
染加工工場(福井県)
WKカバー工法で漏水を防げる
近年では異常気象が叫ばれており、例年「集中豪雨」が各所にて発生しています。一時的に雨量が増すとオーバーフローによって屋内へ漏水してしまう危険がありますので、事後に対応するのではなく、事前に対策しておくのがおすすめです。
綿半ソリューションズでは、集中豪雨対策として「バイパス樋」をご提案しております。バイパス樋を設置することで、集中豪雨時でも排水が分散されるため、従来の雨樋に負担がかかりづらく、漏水を防止することが可能です。
既に特許を取得した技術ですので、自信を持ってご提供いたします。興味がある方はぜひ資料請求もしくはお問い合わせをしてみてください。
WK カバーの詳細について、こちらをご確認ください