「工場の屋根によく使われているスレートについて詳しく知りたい」
「倉庫のスレート屋根に欠陥を見つけた」
「工場のスレート屋根の修繕費用の相場を知りたい」
このように悩んでいませんか?
安価で耐久性が良いことから屋根にスレートを採用している工場や倉庫が多くありますが、
修理の時期になって疑問が生じてくることもあるでしょう。
当記事では、工場や倉庫の屋根に使用されるスレートの特徴からアスベスト問題、修繕費用まで詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
工場・倉庫に用いられる波形スレートは2種類ある
工場や倉庫の建物に使用される波形スレートは2種類あります。
主に以下のように使い分けることが一般的です。
● 大波スレートは屋根用・外壁用
● 小波スレートは外壁用
大波スレートは屋根用・外壁用
大波スレートは、波の幅が130mm高さが38mmのものを指し、屋根にも外壁にも用いられます。厚みは6.3mmと8mmがあり、8mmの厚めのスレートは曲げたときの耐久性が2倍以上もあります。
屋根の耐久性を高めたい場合は8mmの大波スレートがおすすめです。
小波スレートは外壁用
波の幅が63.5mm、高さが188mmのものを小波スレートと呼びます。小波スレートは大波スレートの約半分のサイズです。
主に外壁用として用いられていますが、屋根に使用されるケースもあります。
工場・倉庫にスレート屋根が多い理由は?5つのメリットを解説
次の5つのメリットがあるため、工場や倉庫の屋根にはスレートが採用されている印象です。
● 耐久性に優れている
● 法定不燃材料に指定されるほどの耐火性
● 高い遮音性
● 比較的安価な工事費用で設置できる
● 税制面でも優遇されることがある
メリットを知った上で修繕時の屋根材に再度スレートを採用するか考えてみましょう。
耐久性に優れている
スレート屋根は耐久性が高い建材として知られています。スレートを波形に加工することで、水平方向に対する曲げの強さを確保しています。
最新のスレート屋根は、想定耐用年数が25〜30年です。
ほとんどメンテナンスせずに50年以上使用できている屋根もあります。
ただし、製造時期によっては十数年しか保たないスレート屋根もあるため注意が必要です。
法定不燃材料に指定されるほどの耐火性
スレートは耐火性にも優れており、法定不燃材料にも指定されています。火災が発生しても20分間は燃焼せず、有害なガスの発生もありません。
万が一火災が発生しても、ガスによる健康被害などの二次被害が発生しにくいため、安全性が高い建材です。
高い遮音性
スレートは遮音性が高く、工場などの外部に音が漏れにくいため、近隣への騒音の心配が少ない特徴もあります。雨音なども気になりにくく、作業に集中しやすいメリットもあります。
工場の騒音問題を予防したいなら積極的にスレートを取り入れましょう。
比較的安価な工事費用で設置できる
スレートは性能が高い割に価格が手頃であり、工事費用も安く抑えられることが多いです。建材の購入費用も工事費用も抑えられることで、トータルコストが下がる傾向にあります。
屋根の修繕費用に多くの予算を割けないと悩んでいる方にぴったりです。
税制面でも優遇されることがある
波形スレートの屋根を引き続きスレートで張り替える場合、一括損金で計上できます。一括損金になる理由は、スレートの原状回復として認められるためです。
課税金額から差し引いて損金算入できるため、税制的にもお得です。
工場・倉庫のスレート屋根とアスベスト
工場や倉庫のスレート屋根には以前、強度を高める目的でアスベストが使用されていました。
しかし、2004年にアスベストの危険性が指摘されて以来、ノンアスベストのスレート屋根が生産されるようになりました。
ただ、強化材を含まないノンアスベスト屋根は劣化しやすい特徴があり、耐久性に問題があるとしてイメージが悪化。
現在は改良されているものの、一度ついた悪印象を拭いきれずにいます。
スレート屋根とアスベストについて、以下で詳しく解説します。
2004年のアスベスト問題で健康被害が問題視された
アスベストはスレートの強度を高めるために使用されていましたが、この物質を除去する際に肺がんや悪性中皮腫などの疾患を引き起こすとして大問題となりました。
実際に撤去作業中に飛散したアスベストを吸い込んだ方が次々と疾患にかかり、健康上の問題があると判断されたためです。
法規制を受けた結果、2005年以降にはアスベストが含まれていないスレート屋根が設置されるようになりました。
ノンアスベストのスレート屋根は耐久性が疑問視されるものも
アスベストの健康被害を受けて開発されたノンアスベストのスレート屋根は、以前のものと比べてはるかに劣化しやすくなっています。強化材として優れているアスベストを除くと、どうしてもスレートの強みである耐久性が損なわれてしまうためです。
結果、耐用年数が約40年から15年程度になり、スレート屋根のイメージが悪化しました。
現在のスレート屋根は耐久性に問題なし
現在市場に出ているスレート屋根は、ノンアスベスト屋根の耐久性の問題を解消した製品です。これらのスレート屋根の期待される耐用年数は30年とされていますが、
実際に導入後30年が経過した建物がほとんどないため実際の耐用年数は不明です。
また、ノンアスベスト屋根に対する悪印象のため、改良版スレートに対しても抵抗感を持つ方が多い弊害があります。
工場・倉庫のスレート屋根の1番の問題はフックボルトの錆び
スレート屋根で最初に不具合が生じる箇所はフックボルトです。
フックボルトが錆びて隙間ができると、雨漏りが発生する事案が多くなります。
また、屋根に隙間ができるとスレートが強風でズレてしまう危険性もあります。
シーリングやコーキングで対処する方法もありますが、根本的に修正するには次の方法がおすすめです。
工場・倉庫のスレート屋根を修繕する際にかかる費用の相場
スレート屋根を修繕する必要が出てきた場合に生じる費用の相場を、工法別に解説します。
工法 | 1平米あたりの費用相場 |
---|---|
塗装 | 5,000円〜8,000円 |
カバー工法 | 8,000円〜10,000円 |
葺き替え | 24,000円〜30,000円 |
塗装
スレート屋根が古くなったと感じる程度の劣化なら、工場や倉庫の見栄えを向上させるために塗装を検討しましょう。イメージチェンジを図りたいときにも塗装がおすすめです。
ただし、塗装によって屋根の寿命を延ばすことはできないので要注意です。
カバー工法
アスベストを含有しているスレート屋根は撤去するのではなく、カバー工法で全面を覆う工事がおすすめです。既存の屋根の上に新しいスレート屋根を載せるため、廃材がほとんど出ず、安全に工事が行えます。
また、撤去費用がかからない分コスト削減にもつながり、屋根が二重になることで断熱効果が向上するメリットもあります。
葺き替え
古い屋根を撤去する方が良い場合は、取り払った上で新しい屋根を設置する「葺き替え」を行います。葺き替えの1平米あたりの費用目安は24,000円から30,000円前後です。
ただし、アスベストが含まれているスレート屋根の場合、危険なため撤去費用が高額になりやすいです。
スレート屋根の補修ならWKカバー工法がおすすめ
今回は、工場や倉庫のスレート屋根について特徴からメリット、アスベスト問題、修繕費用の相場まで解説しました。
スレート屋根の改修を行うなら、現在使用している屋根にもう一枚の屋根をかけるカバー工法がおすすめです。
中でも綿半ソリューションズのWKカバー工法は、工場の操業を止めずに安全に改修工事を行えることで評判を博しています。
スレート屋根の改修を検討する際は、WKカバー工法を取り入れられるか一度検討してみましょう。