工場や倉庫の屋根をカバー工法で修理できるか気になっていませんか。
結論、屋根をカバー工法で改修することはメリットが多いため、おすすめです。
ただし、長期的に見ると無視できないデメリットもいくつかあります。
当記事では、倉庫の屋根をカバー工法で修繕するメリット・デメリットや修繕費用を詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
工場・倉庫のカバー工法とは?

カバー工法とは、今ある屋根の上に、新しい屋根を重ね張りする方法です。
スレートや金属などの屋根材で、一般住宅の屋根から大型倉庫の屋根まで、幅広く使われています。
屋根の撤去作業がないため、一度撤去して新しく屋根を作る葺き替え工事よりも、工数と費用の削減が可能です。
既存の屋根材の上に新しい屋根材をかぶせるため、耐久性も高くなります。
ただし、屋根の状態によってはカバー工法では対応できない場合があるため要注意です。
工場・倉庫の屋根をカバー工法で
修繕するメリット

カバー工法で屋根を修繕するメリットは次のとおりです。
● 工期が短い
● 費用を抑えられる
● 倉庫の稼働を止めずに工事できる
● 防音性・断熱性アップ
● アスベストを飛散させることなく修繕できる
葺き替えではなくもう一枚屋根を重ねるメリットを5つ、順番に見ていきます。
工期が短い
カバー工法を選ぶ最大のメリットは工期が短いことです。通常の葺き替え工事では解体や廃材処理に多くの時間がかかりますが、
カバー工法なら既存の屋根を解体する必要がないため、その分の時間を大幅に節約できます。
工事に時間をかけたくない方に喜ばれる方法です。
費用を抑えられる
カバー工法はコスト削減に効果的な方法でもあります。葺き替え工事では古い屋根材を撤去するための人件費や処分費がかかりますが、
カバー工法では既存の屋根を撤去しないため、解体・廃材処理費用を大幅に削減できます。
総合的な工事費用を抑えつつ屋根を新しくできる点がメリットの1つです。
倉庫の稼働を止めずに工事できる
カバー工法の大きな利点は、倉庫の稼働を止めずに工事できることです。通常の葺き替え工事では屋根の全面撤去が必要なため、倉庫や工場の稼働を一時停止する場合があります。
しかし、カバー工法では既存の屋根の上に新しい屋根を重ねるため、工事中も倉庫や工場を通常通り稼働できます。
業務の中断を防ぎ、生産スケジュールに影響を与えることなく工事できるため、多くの依頼主様に好評です。
防音性・断熱性アップ
カバー工法は防音性と断熱性の向上も期待できます。新しい屋根を重ねることで屋根が二重になり、防音性が高まるからです。
工場や倉庫では大雨が降ったときに雨音が内部に響くことがよくありますが、二重屋根にすることで音が気にならなくなります。
断熱性が向上することで室内の温度が一定になり、エネルギー効率が高まる効果も。
音が響きにくくなるだけでなく冷暖房のエネルギー消費を抑えられるのが嬉しいポイントです。
アスベストを飛散させることなく修繕できる
アスベストを含むスレート屋根を安全に修繕する方法として、カバー工法は最適です。古いスレート屋根の中には、アスベストを含んでいて撤去作業に危険を伴うものがあります。
カバー工法なら既存の屋根材をそのまま残して新しい屋根を被せるため、アスベストが飛散して健康被害につながる恐れがありません。
アスベストの除去には高額な費用がかかる上に健康リスクも伴いますが、カバー工法でこれらの問題を回避できます。
工場・倉庫の屋根をカバー工法で
修繕するデメリット

メリットの多いカバー工法ですが、もちろんデメリットもあります。
● 屋根が重くなるので、耐震性に劣る
● 屋根の状態を戻す工事にはなり得ない
● 建て替え時の費用が高額になる可能性がある
工事をしてから後悔しないように、以下の項目をチェックしておきましょう。
屋根が重くなるので、耐震性に劣る
カバー工法のデメリットは、屋根が重くなることで耐震性が落ちる可能性があることです。屋根を二重に重ねるため、建物全体の重量が増します。
特に地震が多い地域では、屋根が重くなりすぎると建物がつぶれるリスクが増えるデメリットが。
耐震基準を満たしていない古い建物にカバー工法を適用すると、地震時の揺れに対して構造的に脆弱になります。
結果として、耐震補強を追加で行う必要がでてきて、コストが高くなる可能性があります。
カバー工法を取り入れつつ屋根を軽めにしたいなら、ガルバリウム鋼板などのできるだけ軽量な屋根材を選びましょう。
屋根の状態を戻す工事にはなり得ない
カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根を被せるだけであって、屋根の状態を根本的に改善する工事ではない点に注意しましょう。たとえば、既存の屋根に構造的なダメージがある場合、カバー工法では完全に修繕できず、
将来的に再び問題が表面化して大規模な修理が必要になる恐れがあります。
屋根の一部に問題がある場合は、その部分を補修してから工事することで、問題の再発を防ぎましょう。
建て替え時の費用が高額になる可能性がある
カバー工法は長期的に見るとメンテナンス費用は削減できるものの、一時的な補修よりはコストがかかります。建物を建て替える際には二重になった屋根をすべて撤去する必要があるため、その分の人件費や廃材処理費用がかかります。
特にアスベストを含むスレート屋根は、健康被害に気をつけながら屋根を2枚撤去することになるため、撤去作業が大変です。
工場・倉庫のカバーと
葺き替えとの違い

ここまでカバー工法について解説してきましたが、そもそもカバー工法が他の施工方法と比べてどのような特徴があるか気になる方もいるでしょう。
今回は次の3つの工法を比較します。
工法 | 説明 | メリット |
---|---|---|
カバー工法 | 既存屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる | 葺き替えより費用・工期を抑えられる |
葺き替え | 既存屋根材を撤去し、新しい屋根材に張り替える | 屋根全体を一新できる |
部分的な張替え | 破損箇所のみを補修 | 工期が最も短い |
カバー工法
カバー工法は、既存の屋根材を撤去せず、新しい屋根材を上からかぶせる工法です。解体・廃材処理が不要なため、葺き替え工事と比べて費用と工期を抑えられます。
屋根が二重構造になることで防音性・断熱性も向上するので、雨音や寒さが気になっている方にもおすすめです。
工事期間が短いことから、事業への影響を最小限に抑えられる点も大きなメリットです。
当社のWKカバー工法なら工場・倉庫の稼働を止めずに工事を進められます。
葺き替え
葺き替えは、既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に張り替える工法です。屋根の損傷が激しい場合や、経年劣化が著しい場合に適しています。
屋根全体を一新できるため、建物の見た目を良くしたり、耐久性アップにも効果的です。
しかし、解体・廃材処理費用が発生するためカバー工法より出費が多くなり、工期も長くなる傾向があります。
また、人体に有害なアスベストを含むスレート屋根の場合は、特別な処理が必要となるためさらに費用と時間がかかります。
工場施設の場合、操業を停止しなければならない可能性もあるため、慎重にご検討ください。
部分的な張替え
部分的な張替えとは、屋根全体の強度に問題がない場合に適用できる、破損箇所だけを補修する方法です。一部分のみの損傷で、費用を抑えつつすばやく修理したいときにおすすめです。
例えば、強風で飛ばされてきたものが当たって屋根に傷がついたときや、
一部だけ雨漏りしているケースなど、局所的な問題を解決したい場合が挙げられます。
広範囲に劣化が進んでいる場合、部分的な張替えでは対応できないため、葺き替えやカバー工法を検討しましょう。
倉庫の屋根をカバー工法で
直す際の費用相場

工場や倉庫の屋根のカバー工法を検討する際、工事費の目安を知っておきたいと考える方も多いでしょう。
費用の目安が分かれば、予算計画を立てやすくなり、適切な判断ができます。
以下で大まかな目安を紹介します。
大波スレート(WKカバーⅡ型)
● 屋根材費用:8,000円/㎡~10,000円/㎡前後● 2,000㎡の工場の場合:約1,600万円
折板(88タイプ)
● 屋根材費用:5,000円/㎡~8,000円/㎡前後● 2,000㎡の工場の場合:約1,000万円
工事費の目安
大波スレート屋根でWKカバーⅡ型を適用する場合、2,000㎡の工場で工期は約30日間、総費用は約1,300万円が目安です。これに加え、工事費・仮設足場代・現場管理費などが追加で発生します。
ここで紹介した金額はあくまで目安なので、建物の立地条件・周辺環境・既存屋根の劣化状況などによって費用が変動することに注意しましょう。
廃材処理費用や運搬費用なども別途発生する可能性があるため、事前に複数の業者から見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。
なお、コストを抑えたいなら小規模工務店より大手に頼むべきです。
普段から大量に資材を調達しているので融通が利きやすく、屋根工事に必要な資材を安く仕入れられます。
大規模な工事を中心に請け負っている綿半ソリューションズなら、資材も実績も豊富にあるため、安心して任せられるでしょう。
なお、倉庫の屋根をDIYで修理しようとする方がいますが、安全性を考慮するとおすすめできません。
専門家でも危険とされている高所での作業を軽率に行って落下したら、病院にかかる費用がかかる上に、打ちどころが悪ければ障害が残ってしまう恐れも。
倉庫の屋根を修理したいときは、専門家を探して依頼しましょう。
工場・倉庫のカバー工法の手順

工場・倉庫をカバー工法を用いて改修する際は、以下の手順で行います。
1. 調査・点検
2. 施工図の作成
3. 既存の屋根の準備
4. 屋根材の設置準備
5. 屋根材の取り付け
6. 仕上げ作業
調査・点検
まず行うのは、現状把握です。屋根全体をくまなく点検し、雨漏り箇所や破損箇所を特定します。
雨漏り等をいますぐ止める必要がある場合は、ブルーシートなどで一時的な保護を行い、二次被害を防ぎます。
施工図の作成
現地調査に基づいて施工図を作成します。改修工事は、部分的に補修されていたり突起物や設備が追加されていたり、設計図と大きく違う場合があります。
古い建物では、設計図通りに施工されていないケースも。
事前にしっかりと施工計画を立てることが、スムーズな施工のためには重要です。
既存の屋根の準備
続いては、既存屋根の状態に合わせた下準備です。錆が発生して穴が空いている場合は、当て板をするなど補修をします。
新しい屋根材を取り付けるための専用金具の設置や隙間を埋めるための面戸、防水部品の取り付けなど、既存屋根の状態に合わせて丁寧に準備していきます。
屋根材の設置準備
クレーンを使って新しい屋根材を屋根上に運び上げます。屋根材の種類や形状に合わせて適切な工具と固定方法を選択し、必要な箇所に部材を仮どめします。
安全に配慮しつつ効率的に作業を進めるためには、作業手順と人員配置を事前にしっかり考えておくことが重要です。
屋根材の取り付け
いよいよ新しい屋根材の本格的な取り付けです。ビスをしっかり締めて屋根材を固定し、強風や豪雨などがきても耐えられるようにします。
屋根の端や隣接部分は板金を使って雨仕舞い処理を施すことで、雨水の浸入を確実に防ぎます。
仕上げ作業
最後に仕上げ作業です。まず、ケラバや屋根の先端部分を補強し、耐久性を高めます。
雨水を効率的に排水するための大型雨樋を設置すると、屋根の劣化を防げます。
最後に綿密な仕上がりチェックをして完了です。
仮設足場の必要性
ところで、高所作業を行うためには安全性を確保するために仮設足場を設置する必要があります。作業員の転落・墜落事故を防ぐだけでなく、資材の運搬や移動にも不可欠です。
足場は関連法規に基づき適切に設置します。
例えば、工場でカバー工法を行う場合、屋根の高さは約6~8メートルになります。
このような高所作業では、作業床を設けるだけでなく、転落防止のための安全ネットや手すりの設置など、様々な安全対策が必要となります。
工場・倉庫のカバー工法の事例
最後に、WKカバーを使用した工場・倉庫のカバー工法の事例をいくつかご紹介します。
それぞれの建物の特徴やニーズに合わせて、最適な工法が選択されています。
写真や詳細な説明を通して、カバー工法の具体的なイメージを掴んでいただければ幸いです。
事例① 現場成型して施工したアーチ型の瓦棒葺き屋根の改修工事

学校体育館
● 製品名:WKカバーⅠ型
● 屋根:瓦棒葺屋根
● 施工規模:2,000㎡
長尺の屋根材を現場にて成型して施工。黒色のシックな仕上がりになりました。

染色加工工場
● 製品名:WKカバーⅠ型
● 屋根:瓦棒葺屋根
● 施工規模:5,000㎡
アーチ型と直線の屋根が組み合わさった形状の瓦棒葺き屋根です。
漏水対策もしっかりとおこないまいした。
事例② 錆が気になった折板屋根の改修工事

紙管製造業
● 製品名:WKカバーS型
● 屋根:折板屋根
● 施工規模:4,500㎡
暑さ対策でグラスウールを敷き込んで断熱性を向上させたおかげで「建物内の作業環境が良くなった」と評価いただきました。

自動車部品製造業
● 製品名:WKカバーS型
● 屋根:折板屋根
● 施工規模:3,500㎡
水密性を向上させたいということで、嵌合式折板屋根で改修工事をおこないました。

舗装材料製造業
● 製品名:MYルーファー
● 屋根:折板屋根
● 施工規模:1,100㎡
錆が気になるけど屋根に負担をかけたくないということで、防錆防水工法のMYルーファーを施工しました。

自動車関連製造業
● 製品名:エムエフルーフシステム-R
● 屋根:折板屋根
● 施工規模:6,000㎡
高性能な断熱材と屋根との間にできる空気層により高い断熱性能を実現し、建物内環境を良くしたいお客様から評価をいただいております。
事例③ 外壁に角波でカバー工法をおこなった改修工事

輸送用機械器具製造業
● 屋根:小波スレート壁
● 施工規模:8,600㎡
老化して黒く汚れていたスレートの外壁に、角波カバー工法をおこなった改修工事例です。

自動車部品製造業
● 製品名:角波
● 屋根:小波スレート壁
● 施工規模:2,300㎡
もともと扉がありましたが、使用されておらず錆も目立っていたため、同一色の外壁材で塞いですっきりときれいな見た目にしました。

建設関連製造業
● 屋根:角波
● 施工規模:2,000㎡
角波の外壁を断熱サイディングで改修し、断熱性がアップしました。

特殊車両製造業
● 製品名:アルミハニカム
● 屋根:角波
● 施工規模:1,000㎡
大型バスで乗り降りする際に雨に当たらないようにと考えて、特注の大きな庇をアルミハニカムで施工し、インパクトのある玄関に仕上げました。
工場・倉庫の屋根には
WKカバー工法がおすすめ

今回は、工場・倉庫の屋根をカバー工法で改修するメリット・デメリットと費用相場を解説しました。
結論、コストパフォーマンスを重視したいならカバー工法で屋根修理を行うことをおすすめします。
中でも、全国トップクラスの施工実績600万㎡以上を誇る綿半ソリューションズのWKカバー工法は、
自動車関連工場を中心に多くの企業から高い評価を得ています。
その理由は、迅速な施工と高い安全性。
WKカバー工法なら、操業を止めることなくスピーディーに屋根改修が完了します。
カバー工法での修理を検討している方は、ぜひ綿半ソリューションズへご相談ください。