工場や倉庫などの大型建築物の屋根には「折板屋根」がよく用いられています。
本記事では折板屋根について、種類やメリット・デメリット、改修方法や改修単価について解説いたしますので、
屋根工事を検討されている方はぜひ参考にしてください。
折板屋根とは
折板屋根(せっぱんやね)とは、ガルバリウム鋼板・亜鉛メッキ鋼板・塩ビ鋼板などの金属製の材料を用いた屋根のこと。金属板を折り曲げて波型に加工している点が特徴です。その丈夫さから自転車置き場や車庫などの身近な屋根でも用いられています。
また、工場や倉庫などの大型建築物の屋根に用いられるケースも多いです。以前までは工場の屋根といえば「波型スレート」が主流でしたが、2004年以前に設置された屋根ではアスベストが含有されていることや、スレート素材は水分が吸収されやすく雨漏りが起きることなどの理由から、近年では折板屋根の設置を検討される方が増えてきました。
折板屋根の種類
ハゼ締め
「ハゼ」とは金属と金属を折り曲げて接合させた部分のことを指します。このハゼを締めて施工する方法のことを「ハゼ締め」といいます。屋根に穴を開ける必要がなく、ボルトも使わないため、比較的費用がかかりにくい点が特徴です。また、屋根に穴を開けないことでゲリラ豪雨時の漏水を防げるなど、防水的な観点でもメリットがあります。
重ね
「重ね」とは、タイトルフレームの部分に取り付けられたボルトに「ナット」と呼ばれるネジを固定して設置する方法のことを指します。ネジで固定をすることで、強風時にも屋根が飛ばされにくい強固な設置を実現することが可能です。
嵌合
「嵌合(かんごう)」とは吊子で固定して嵌(は)め合い、設置する方法のことを指します。まるで機械のパーツ同士を組み合わせるように設置できるため、鋼板の端面やボルトが露出せず、スッキリした外観になることが特徴です。
折板屋根のメリット
折板屋根を設置するメリットは、主に下記の通りです。
・軽量で耐久性が高い
・施工の自由度が高い
・工事期間が比較的短い
それぞれについて詳しく解説します。
軽量で耐久性が高い
折板屋根でよく用いられるガルバリウム鋼板は、金属材のなかでも比較的軽量で建物へかける負担も少ないことから、地震時の揺れを軽減させて倒壊を防ぐことができます。また、折板屋根は表面を折り曲げることによって強度を高めています。耐用年数は約20〜30年と言われており、一昔前に主流だったトタン屋根の耐用年数が約15年と言われているので、金属材のなかでは比較的耐久性が高いといえるでしょう。
施工の自由度が高い
折板屋根は設置する建築物の条件に合わせて、比較的自由に加工することができます。たとえば大型の工場や倉庫に設置する場合は、屋根材を長くして施工することができますし、東京ビッグサイトや西武ドームのような湾曲加工を施して設置することも可能です。▶ 倉庫の屋根修理に必要な費用とは?修理方法と雨漏り対策についても解説
工事期間が比較的短い
折板屋根では施工時に野地板を葺く必要がありません。通常、屋根工事では屋根材の下に野地板を葺き、屋根材を固定させる必要があるのですが、折板屋根ではタイトフレームという金具を用いることで設置ができるため、その分だけ工事期間を短縮することができます。折板屋根のデメリット
メリットが多い折板屋根の設置ですが、一方でデメリット(注意点)があることも把握しておく必要があります。
錆が発生する
金属製の屋根材なので「錆(サビ)」は避けては通れません。とくにゲリラ豪雨が頻繁に発生する地域に住まわれていて、錆が発生しやすい場合には、定期的なメンテナンスなどの対策が別途必要になるでしょう。
しかし、折板屋根に近年用いられているガルバリウム鋼板は、トタン素材などの他の金属材と比較すると錆が発生しにくいと言われています。とくに屋根工事などで生産稼働を停止させたくない工場関係者の方々におすすめの屋根材だといえます。
断熱性が低い
折板屋根では野地板を葺かないため屋根裏がありません。そのため、金属板1枚で建物が覆われており、室内に外気が届きやすい構造となっています。また、金属屋根は熱を伝えやすいため、夏場は室内が暑くなり、一方で冬場は室内が寒くなりがちです。金属屋根材を二重にし、その間に遮熱材や断熱材を敷き込む工法もありますので、ご検討ください。
雨音が響きやすい
金属特有の性質から、雨音などの衝撃音が反響して室内まで届いてしまうというデメリットがあります。軽量な金属だからこそ甲高い音が出てしまうことは仕方がないことです。しかし、遮音テープや防振材を貼るなどの対策で防ぐこともできますので、専門の工事会社にご相談をしてみて対処法がないか確認をしてみましょう。
折板屋根の寿命は?
折板屋根の寿命は使用する屋根材で大きく変わります。よく用いられる屋根材はガルバリウム鋼板で、耐用年数は約20~30年と言われています。折板屋根は屋根勾配が緩いことが多く、雨水や落葉などが屋根の上に乗ったままだと、錆が進行しやすくなります。錆は穴あきによる雨漏りの原因となるため注意が必要です。
しかし、工場や倉庫で30年以内に建て替えることはあまりありません。定期的に錆の確認をおこなったり、塗装するなどのメンテナンスをすることで建物の長寿命化が可能です
折板屋根の改修方法と単価目安
折板屋根を改修する、もしくは既存の屋根から折板屋根に変更する際の工事方法についてご紹介いたします。屋根工事には、主に「塗装工事」「カバー工法」「葺き替え」の3種類があり、それぞれ特徴や費用相場が異なります。
※下記でご紹介するのはあくまで目安となる費用相場です。実際の費用は、工事会社・状況・時期により変動しますので、あくまで参考程度にご確認ください。
塗装工事
塗装工事とは屋根の汚れを取り除き、その上から塗料をぬる工事方法のことです。定期的なメンテナンスとして行われることが多く、外観の修復のみならず、場合によっては防水・防汚コーティングの役割も果たします。工事方法としては比較的軽度なため、工期が短く、費用も安く抑えられます。
塗装工事の詳細についてはあわせて下記記事をご確認ください。▶ 工場で塗装工事が必要なタイミングとは?塗料の種類や費用の目安もあわせて解説
- 1平米あたりの費用相場
- 4,000円〜7,000円前後
cf)波形スレート:5,000円〜8,000円前後
カバー工法
カバー工法とは既存の屋根のうえから、新しく屋根を設置する工事方法のことです。屋根が二重になるため、断熱性や防水性などの耐久力が高まると考えられます。一方で、屋根が二重になることで重量も大きくなるため、建物によっては工事が不可能な場合もある点は、あらかじめご注意ください。
- 1平米あたりの費用相場
- 折板屋根:5,000円〜8,000円前後
cf)波形スレート:8,000円〜10,000円前後
その他断熱に関してはあわせて下記記事をご確認ください。
▶ 工場の断熱対策4選!費用相場も解説
葺き替え
葺き替えとは既存の屋根を撤去したうえで、新しく屋根を設置する工事方法のことです。新品の屋根を設置するので耐用年数が長くなりますが、屋根の撤去費用が別途発生する点は、あらかじめご注意ください。
- 1平米あたりの費用相場
- 折板屋根:13,000円〜18,000円前後
cf)波形スレート:24,000円〜30,000円前後
倉庫屋根の葺き替え費用についてはあわせて下記記事をご確認ください。
▶ 倉庫の屋根修理に必要な費用とは?修理方法と雨漏り対策についても解説
折板屋根改修工事の施工事例
綿半ソリューションズは豊富な施工実績で、いろいろなタイプの折板屋根に対応した改修が可能です。
防錆対策や断熱性能アップなど、ご要望に合わせた改修工法をご提案します。
折板屋根の施工なら綿半ソリューションズにお任せ
工場関係者のなかで、折板屋根の施工を検討している方がいらっしゃれば、まずは綿半ソリューションズにご相談ください。
弊社の歴史は長く、とくにカバー工法の分野では40年以上と、業界内でも古くから取り組んでまいりました。過去の施工数量は600万㎡以上。屋根工事の実績は日本国内でもトップクラスを誇ります。カバー工法では「インダイレクト工法」を採用しており、屋根に穴をあけずに、雨漏りや粉塵を防ぎながら施工を進めさせていただきますので、ご安心してお任せください。
お客様からのさまざまなご要望にお応えするために、弊社では独自の開発施設「綿半技術センター」で常に工法の開発や改良を行っています。技術力の向上を惜しまず続けてきたからこそ、積み上げてきた経験と技術がございます。オーダーをいただければ、無料で現地に向かわせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
WKカバー工法
既存の屋根や外壁を剥がさず新しい外装材で覆う改修工法です。
お客様は創業を続けながらの改修が可能です。
1983年に金属屋根やスレート屋根の改修工事を開始しました。
1999年に既存の屋根に穴を開けないインダイレクト工法を開発してから自動車関連工場を中心に、急激に改修量が増えました。
さらなる改良と施工経験を積み重ね、現在の施工実績は6,000,000㎡を超えました。
全国トップクラスの施工実績でお客様に選ばれ続けています。
イメージ図
施工中写真
施工実績累計
断熱仕様 グラスウール敷込み
通年で一定の効果を得たい建物に適しています
遮熱仕様 遮熱シート(両面アルミ箔シート)敷込み
夏の暑さ対策に特化したい建物に適しています
お問い合わせフォーム
雨漏りなどお困りの方、WKカバー工法にご興味のある方は以下の送信フォームをご利用ください。
※必須とある箇所は必ずご入力ください。