「スポットクーラーや大型扇風機を導入しても、暑さがなかなか改善されない」と悩んでいませんか。
整備工場の暑さは、シャッターを開けたときの外気・天井にこもる熱気・屋根からの熱など、様々な要因があります。一般的な暑さ対策をそのまま取り入れても、自社の工場には合わないケースも。
この記事では整備工場をタイプ別に分け、それぞれに合った暑さ対策を整理しました。自社の工場に近いタイプを見つけ、対策を検討する際の参考にしてください。
整備工場が暑くなりやすい原因
整備工場の暑さ対策を考えるうえでまず押さえておきたいのが「なぜ整備工場は暑くなりやすいのか」という点です。ここでは、整備工場に共通する3つの原因を整理します。
- ● シャッターから外気が入りやすい
- ● 車両や機械から熱が発生する
- ● 天井や屋根付近に熱気がたまりやすい
シャッターから外気が入りやすい
整備工場が暑くなる大きな原因のひとつが、外気の侵入です。整備工場は車両の出入りが頻繁で、シャッターを長時間開けたまま作業することが多いもの。冷房で冷やした空気が外へ逃げ、代わりに外の熱い空気が入り込みます。
車検や法定点検が立て込む時期は、午前中だけで何台もの車が出入りします。大型車の整備や鈑金作業では、シャッターを半日以上開けっぱなしにすることもあるでしょう。
冷房やスポットクーラーを導入しても効きが悪いと感じるのは、外の空気が頻繁に入り込んでいるからです。
車両や機械から熱が発生する
整備工場の中には、熱を発する設備や機器が多く存在します。エンジン・コンプレッサー・溶接機器・照明など、たくさんの機械が熱を発しています。
排ガス検査ラインでは排気が室内にこもり、溶接作業の周囲は数メートル離れていても熱が伝わることもザラです。古い水銀灯やハロゲン照明を使っている工場なら、天井の照明も熱の発生源になります。
リフト周辺や検査ラインなどが暑く感じるなら、こうした工場内の熱の影響でしょう。
天井や屋根付近に熱気がたまりやすい
天井が高い工場や金属屋根の工場では、上のほうにどんどん熱がたまっていきます。この熱がたまりつづけると、扇風機を回しても涼しくなりにくい状態が続きます。床に扇風機を置いても、上にたまった熱気までは動かせないからです。
工場全体に暑さがこもっている感覚があるなら、屋根や天井付近に熱がたまっている可能性があります。
整備工場でまず取り入れたい暑さ対策
整備工場の暑さ対策として、大がかりな設備投資の前に、すぐに着手できる3つの基本対策を整理します。
- ● 休憩・体調確認をルール化する
- ● 空調服や冷却タオルで体を冷やす
- ● スポットクーラー・大型扇風機で作業場所を冷やす
休憩・体調確認をルール化する
まず取り組みたいのが、熱中症を防ぐための基本ルールづくりです。水分補給・塩分補給・こまめな休憩・体調確認の声かけといった行動を、整備士本人の判断任せにせず、工場全体のルールとして決めておきます。
「2時間ごとに10分休憩」「午後イチに塩分タブレットを配る」など、運用に落とし込める形にしておくと、現場の判断に任せきりにならずに済むでしょう。
空調服や冷却タオルで体を冷やす
長袖のツナギや安全靴を履いて作業する整備士は、どうしても体に熱がこもりやすくなります。そんなときは、空調服・冷却タオル・ネッククーラー・冷感インナーなどで対策すると、少しは暑さがやわらぎます。
ただし、これらは個人レベルの対策にとどまり、工場内の熱気や場所による温度ムラまでは解消できません。次に紹介する作業場所単位の対策と組み合わせる前提で考えてください。
スポットクーラー・大型扇風機で作業場所を冷やす
リフト周辺や検査ラインなど、整備士が長時間とどまる場所を重点的に冷やすのもいいでしょう。
たとえばスポットクーラーは特定の持ち場を冷やすのに向いていて、手っ取り早く涼める設備です。大型扇風機は広い範囲に風を送れて、体感温度を下げる効果が期待できます。
ただし、注意点もあります。スポットクーラーは排熱を逃がさないと周囲がかえって暑くなりがち。大型扇風機も熱気の逃げ道がないと、熱い空気をかき混ぜるだけになる場合があります。
【工場タイプ別】設備工場の暑さ対策
ここからは以下の5つのタイプ別に、暑さ対策を整理します。
- ● 小規模工場は場所を絞って冷やす
- ● シャッター開放が多い工場は外気の入り方を整える
- ● 天井が高い工場は上部の熱気を逃がす
- ● 金属屋根・スレート屋根の工場は遮熱・断熱も検討する
- ● 空調が効きにくい工場は気流から見直す
小規模工場は場所を絞って冷やす
小規模工場は予算や設置スペースの制約から、大型設備を導入するのが難しいケースが多いでしょう。また、整備士が長時間とどまる場所さえ涼しければ、作業環境は十分改善できます。
たとえばリフト2基の小規模工場であれば、各リフトの近くにスポットクーラーを1台ずつ配置し、シャッター付近に大型扇風機を置いて熱気を逃がすといいでしょう。整備士には空調服を支給し、作業場所には日よけシートを設置すれば、体感温度を下げられます。
シャッター開放が多い工場は外気の入り方を整える
シャッターが開いている限り冷気は外へ逃げ、外の熱気が入り込み続けます。そんなときは「どこから外気が入り、どこへ熱気が抜けるか」を見直しましょう。
たとえば、パーティションで作業エリアと車両出入りエリアを分ければ、作業エリアだけ冷房効率を上げられます。工場の奥や高い所に排気ファンを設置し、こもった熱気を外へ逃がすという手もあります。
シャッターを閉められないなら、空気の出入りを設計し直すべきです。
天井が高い工場は上部の熱気を逃がす
暖かい空気は上にいく性質があるため、天井が高い工場ほど熱気が屋根付近に集まります。だから上の熱気を逃がすことを考える必要があります。床に扇風機を置いても上にたまった熱気は動かせないので、暑さは変わらないでしょう。
対策としては、屋根に換気扇や排気ファンを設置して上にたまった熱気を直接外へ排出する、大型シーリングファンを導入して上の空気を下に循環させる、などがあります。屋根に換気装置を増設して、自然換気で熱を逃がす方法もあります。
詳しくは以下のページを参考にしてみてください。
https://wkcover.jp/solution/airflow.html
金属屋根・スレート屋根の工場は遮熱・断熱も検討する
金属屋根や古いスレート屋根は熱を伝えやすく、夏場は屋根からの熱が無視できないレベルになります。屋根そのものが熱を放ち続けている限り、扇風機を回しても室温は下がりにくいでしょう。この場合は、屋根の遮熱・断熱対策を検討してください。屋根裏に断熱材を入れたり、屋根を二重にして熱が伝わりにくくしたりする必要があります。
ただし、屋根改修は費用が大きくなりやすいため、まずは換気・気流対策で改善できるか、専門家に聞いてみるのがおすすめです。
空調が効きにくい工場は気流から見直す
冷房や扇風機が効いてない気がするときは、空気の流れ方から考え直したほうが良いかもしれません。冷気が一部にだけ滞留していたり、熱が逃げ道を失っていたりすると、いくら冷やしても涼しくならないでしょう。
ファンの位置や向きを変えたり、空気の流れを設計し直したりするだけで体感温度が大きく変わることも。設備を増やす前に、空気の流れを見直すことが暑さ対策につながるケースもあります。
まとめ
整備工場の暑さ対策は、工場の構造や規模によって効果的な方法が変わります。車両や機械からの熱、天井付近にこもる熱気など、原因は工場ごとに異なるためです。
クーラーを増やしても涼しくならない工場は、もしかしたら空気の流れを見直す必要があるかもしれません。こもった熱気を外へ逃がす、工場内全体で空気を循環させる。こうした気流の設計を整えることで、既存の設備を活かしながら作業環境を改善できます。
どうやって空気の流れを見直せばいいかわからない方は、ぜひ以下の気流改善対策ページもご覧ください。手っ取り早く知りたいときは、専門家に相談してみるのも良いでしょう。
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