工場・倉庫の屋根散水のメリット・デメリットを解説

夏場に工場・倉庫の中の温度が上がりすぎて、従業員が熱中症になったり冷房費がかさんだりといった課題が積み重なり、頭を抱えている方もいるのではないでしょうか?
これを解決する手段の一つが「屋根散水」です。
屋根に水を撒いて表面温度を下げることで、建物内の温度上昇を抑え、省エネ効果や室内環境の改善が期待できます。

本記事では、屋根散水の仕組みやメリット・デメリット、断熱・遮熱が期待できる屋根改修工事についても解説します。
工場や倉庫が暑すぎて困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

工場・倉庫の屋根散水とは

工場・倉庫の屋根散水とは

屋根散水システムは、工場や倉庫の屋根に水を散布することで建物内の温度を下げる装置です。
屋根に設置したスプリンクラーなどから噴射された水で屋根の表面を冷却します。
水が蒸発する際に周囲の熱を吸収することで温度が下がる「気化熱」という現象を利用して作られたのが屋根の散水システムです。

日差しの強い夏場などで屋根が高温になりすぎるのを防ぐことで、建物内が涼しく過ごしやすくなる効果が期待できます。

工場・倉庫の屋根散水のメリット

工場・倉庫の屋根散水のメリット

屋根に散水するメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

● 熱中症対策
● 冷房代の節約
● 設置コストが低い
● 太陽光パネルの発電効率が良くなる

熱中症対策

工場や倉庫の屋根に散水して建物内部の温度上昇を抑えれば、従業員が熱中症になるリスクを大幅に減らせます。

たとえば、工場が暑すぎて熱中症で倒れる従業員が増えると、作業できる人が減りすぎて工場の生産計画にまで影響を与えかねません。
熱中症で倒れなくても、あまりの暑さに従業員の作業効率が落ちてしまうと、生産性の低下につながります。
さらには、現場が暑すぎるという評判が広まることで、人材を募集しても人が集まりにくくなる恐れもあります。

2025年6月に、企業の熱中症対策は罰則付き義務化となるため、対策の必要性はより高まっています。
工場・倉庫の作業環境を整えて生産性を上げるために、屋根散水は導入を検討する価値があるでしょう。

冷房代の節約

屋根散水を行うと建物内部の温度を効率的に下げられるため、エアコンや冷房設備の使用頻度を減らせます。
電力消費が抑えられるため、光熱費の削減も期待できます。
特に広い面積を持つ工場や倉庫では冷房の運転にかかるコストが大きいため、経済的なメリットが大きくなるでしょう。

冷房設備を極力使わないことで省エネにもなるので、SDGzの観点で高く評価される企業にもなれます。

設置コストが低い

屋根散水設備は比較的簡易な装置で構成されるため、初期費用が他の冷却方法に比べて低く抑えられます。
既存の水道設備を利用する場合も多く、大規模な改修工事を必要としないため、導入のハードルが低いです。
この手軽さにより、限られた予算でも温度対策が実施可能で、特に中小規模の事業者にとって実用的な選択肢となります。
設置後すぐに効果が得られる点も魅力です。

太陽光パネルの発電効率が良くなる

工場や倉庫の屋根に太陽光パネルを設置している場合、屋根散水システムを組み合わせることで発電効率アップになります。
太陽光パネルは高温になると発電効率が下がる特性がありますが、散水によって屋根やパネル表面の温度を低下させることで、安定した発電性能を発揮できるようになります。
その結果、設備投資の回収期間短縮や、より高いエネルギー収益の確保が期待できるでしょう。

太陽光発電を導入している企業は屋根散水システムも併せて使用することを検討してみてはいかがでしょうか。

工場・倉庫の屋根散水のデメリット

工場・倉庫の屋根散水のデメリット

屋根散水システムを導入してから後悔しないように、デメリットについても検討していきましょう。

● 水道代がかかる
● 天板のさびや劣化が発生する
● 天候により冷却効果が変わる

水道代がかかる

屋根散水では屋根を冷やすために大量の水を使用するため、水道代がかさむ可能性があります。
特に大規模な工場や倉庫ほど使用する水の量が多く、コストがかさむ点に注意が必要です。

地下水や雨水を再利用できるシステムを導入することで、水道代を抑えつつ環境にも良い工場・倉庫を目指せます。
初期コストや運用コストを検討し、最適な散水方法を選択することが大切です。

天板のさびや劣化が発生する

散水によって屋根が常に湿った状態になると、金属製の天板では腐食や錆が発生しやすくなります。
コンクリート素材は錆ませんが、水に濡れ続けることで劣化が進むリスクがあります。

屋根の錆や劣化を防ぐためには、防水塗料や耐久性の高い素材を使用する、または定期的なメンテナンスを実施するといった対策が必要です。
屋根散水システムを導入するなら、劣化防止対策も同時に行いましょう。

天候により冷却効果が変わる

屋根散水の冷却効果は天候に大きく左右されます。
湿度が高い日や風が弱い日は、水蒸発による冷却効果が低下する可能性があります。
一方で、乾燥した日や風通しの良い環境では効果が高まる傾向も。

効果を最大化させたいなら、地域や季節の特徴を考慮して運用スケジュールを調整しましょう。

屋根改修工事のメリット

屋根改修工事のメリット

散水だけでなく、屋根の改修工事も断熱・遮熱効果があります。
屋根の改修工事を行うメリットは次の3つです。

● 耐震性が高まる
● 寿命を延ばせる
● 外観を新しくできる

建物の内部を涼しくするための対処療法を行うのではなく、これを機に工場の利便性・安全性を高めることも検討してみてはいかがでしょうか。

耐震性が高まる

屋根の改修工事を行うことで、建物全体の耐震性がアップします。
特に古い建物の場合、屋根の構造や素材が劣化し、地震の際に倒壊のリスクが高まっている可能性があります。
最新の耐震基準に基づいて屋根を補強・改修することで、こうしたリスクを軽減することが可能です。

耐震性の向上は、地震による被害を抑えつつ従業員や設備の安全性を確保できるだけでなく、建物の資産価値を高める点でも大きなメリットがあります。

寿命を延ばせる

屋根を改修すれば、建物全体の耐久性を大幅に上げつつ寿命も伸ばせます。

屋根は雨風や紫外線などの外的要因に常にさらされており、定期的なメンテナンスを怠ると劣化が進みます。
しかし、断熱や遮熱機能を備えた新素材を使用して改修工事を行うことで劣化を防ぐだけでなく、屋根そのものの寿命を延ばせます。
結果として建物全体の寿命も延び、将来的な大規模修繕や建て替えの頻度を減らすことが可能です。

屋根の改修はコストパフォーマンスの観点でも優れた対策といえます。

外観を新しくできる

屋根の改修は、建物の外観を一新するチャンスです。
特に建築から年数がたった屋根は色あせや汚れが目立ち、どうしても古い印象を与えてしまいます。
しかし、改修工事を行うことで清潔感を取り戻し、企業イメージアップや取引先への良い印象を与えられる効果が期待できます。

屋根散水システムではなく屋根改修で、冷却効果に止まらない効果を狙ってみるのもいいかもしれません。

まとめ

まとめ

今回は、工場の屋根に散水して建物を冷却するメリット・デメリットを解説しました。

とりあえず手軽な対策をして工場を涼しくしたいなら、屋根に散水システムを設置してみるのも良いでしょう。
しかし、抜本的な改善を求めるなら、屋根の改修工事から行うことをおすすめします。

屋根改修を行うなら、屋根の上にもう一つの屋根を重ねるカバー工法もおすすめです。
弊社のWKカバー工法には断熱仕様・遮熱仕様もあります。
屋根を高性能にすることで冷房の負荷を削減しつつ経費削減も狙えます。
より効果的な対策を行いたい場合は、屋根改修のプロである私たちにお問い合わせください。

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