工場・倉庫が雨漏りしたときの対策とは?
原因や修理方法についても解説

「工場や倉庫の屋根が突然雨漏りして困っている」
「応急処置の仕方も、どこに修理を依頼して良いかもわからない」
「プロに修理を依頼する場合の費用相場を知っておきたい」
このように困っている方に向けて、本記事では工場・倉庫の雨漏りの対処法から修理費用まで丁寧に解説します。
応急処置だけして満足している方が陥りがちなリスクも紹介するので、ぜひ最後まで目を通してください。

【建材別】工場・倉庫が雨漏りしてしまう原因

【建材別】工場・倉庫が雨漏りしてしまう原因

雨漏りの原因は、屋根や外壁の材料によって考えるとわかりやすくなります。
ここでは次の建材ごとに考えていきます。

● 大波スレート・小波スレート
● 折板屋根
● 陸屋根
● 金属外壁
● ALC外壁

大波スレート・小波スレート

大波スレート・小波スレートでアスベストを含む旧来の製品は長期間使用されていることが多く、経年劣化によるひび割れや破損が雨漏りの原因になります。
特に割れたスレートから雨水が侵入すると、建物内部だけでなく従業員の健康にも影響を与える恐れがあるため要注意です。
雨水の侵入によって内部にカビや湿気が発生しやすくなり、それがアレルギーや呼吸器疾患の原因となるためです。

また、アスベスト含有の可能性がある場合は、健康被害を被る可能性が出てくるので、専門業者による安全な撤去とノンアスベスト製品への張り替えを検討すべきでしょう。

折板屋根

折板屋根とは、耐久性に優れたガルバリウム鋼板などが使用されている屋根です。
塗装の劣化により錆が進行し、やがて屋根に穴を開けてしまうことがあります。
特に谷部がある複雑な形状の建物や、雪止め金具などの附属物が多く取り付けられた建物では、雨水が溜まりやすいため、定期的な塗装メンテナンスが不可欠です。
錆の進行を見逃すと大規模な雨漏りにつながりかねないため、状態に応じて屋根カバー工法や葺き替えなど、早めの対応を行うことで建物の寿命を伸ばせます。

陸屋根

陸屋根は、勾配がほとんどないため最も雨漏りしやすい構造になっています。
特にシート防水やアスファルト防水は15〜20年で劣化することが多いです。
接着不良やクラック、目地の隙間などから雨水が侵入しやすいことが原因です。

防水層の劣化は見えにくいため、定期的な点検と補修を行い、必要に応じてウレタン塗膜防水や絶縁工法による対策を講じましょう。

金属外壁

金属外壁では、錆やコーキングの劣化が雨漏りの主な原因です。
特に古い工場や倉庫に使用されているトタン外壁は、すでに赤錆が進行している場合も多く、腐食による穴あきが発生しやすくなっています。
耐久性の高いガルバリウム鋼板への張り替えを行い、定期的に外壁の塗装とコーキングの点検・補修を実施することをおすすめします。

ALC外壁

ALC外壁は軽量で断熱性に優れる一方、吸水しやすい性質があります。
塗装やコーキングの劣化により雨水が浸入しやすい外壁です。
吸水が進むと内部が凍結・膨張してひび割れを起こすことがあり、放置するとボロボロになってしまう恐れも。
雨漏りを防ぐコツは、定期的な塗装による表面保護と目地のコーキング補修です。
万が一雨漏りが発生したときは、十分に乾燥させたうえで適切な修繕を行いましょう。

工場・倉庫が雨漏りしたときの応急処置

工場・倉庫が雨漏りしたときの応急処置

工場・倉庫の屋根が雨漏りした場合には、とりあえず応急処置を行いましょう。
応急処置の方法としては、つぎの方法が考えられます。

● 雨漏り箇所にバケツを置く
● 穴を防水テープで塞ぐ
● ビニールシートで屋根を覆う

雨漏り箇所にバケツを置く

まずは水が落ちてくる箇所に、バケツを設置します。
バケツに水を溜めると床が濡れて滑りやすくなるのを防ぎ、二次被害のリスクを最小限に抑えられます。
さらに新聞紙・布・レジャーシート等を床に敷いてからバケツを置くと、床の水濡れを防げるのでやってみてください。

穴を防水テープで塞ぐ

小さな穴やひび割れが原因の場合、防水テープを使って応急的に塞げます。
防水テープは簡単に貼れるうえ、ある程度の耐水性と粘着力があるため、即効性のある対処法として有効です。
ただし、雨漏りしている箇所が濡れていると防水テープを貼れないので、雨が止んでから作業しましょう。

ビニールシートで屋根を覆う

屋根からの大規模な雨漏りには、ビニールシートを使って屋根全体を覆う方法が良いとされています。
特に台風や集中豪雨などの悪天候が予想される場合、あらかじめビニールシートで覆っておくと被害の拡大を防げます。
シートは風で飛ばされないようにしっかり固定しておきましょう。

ただし、屋根に登って上で作業を行うのは非常に危険です。
特に波形スレートは、劣化すると非常にもろく、直接乗ってしまうとひび割れて落下してしまう労働災害や死亡事故の可能性もあります。

応急処置だけで安心してはいけない理由

応急処置だけで安心してはいけない理由

応急処置をすると、いったん雨漏り問題が解決したように見えるため、安心してしまう方も多いのが難点です。
先ほどの対処法は、あくまで一時しのぎの方法です。
雨漏りしたままにしておくと、例えば雨水で設備が壊れたり製品が濡れてしまったりする恐れがあります。

工場・倉庫の大切な設備や製品が雨水に晒されている場合は、すぐに避難させてください。
雨漏りによって濡れた箇所がカビたり錆びたり、電気配線に水が届いて漏電、ひいては火災につながるリスクも。
応急処置をしたら、次の項目を参考にして根本的な処置を検討しましょう。

【発生箇所別】工場・倉庫雨漏りの補修方法

ここからは、根本的な雨漏りの対処方法を、雨漏りが発生している箇所ごとに考えていきます。

● 屋根
● 外壁
● 樋

屋根

屋根

スレート屋根は経年による劣化や、風や飛来物からの損傷等が原因となり漏水が発生します。
劣化によって割れているスレートは、上に乗ると割れて落下する危険性があります。
補修はかならず専門業者に依頼しましょう。

また、折板屋根は錆が原因で漏水することが多くあります。
部分的な錆の補修は、錆を除去して錆止め塗装を施します。
全面に錆が出ていたり、錆が除去できないほど浸食している場合は、カバー工法や葺き替えでの施工となります。

外壁

外壁

雨漏りは屋根だけが原因ではなく、外壁から発生していることもあります。
窓やドア廻りのシーリング材が紫外線や風雨による劣化でひび割れて漏水している場合、シーリング材を打ち直して補修します。
外壁材の錆が進行してしまい漏水している場合は、屋根の雨漏りと同様に錆止め塗装で補修できますが、錆の状態によりカバー工法や葺き替えとなる場合もあります。

樋

樋からの漏水に多い原因は、苔や落葉などによる詰まりです。
定期的に劣化や変形がないか点検をおこなったり、排水溝を掃除するなどのメンテナンスをおこなうことで漏水のリスクを下げることができます。
枯葉や落葉よけネットを樋に設置しておくことで詰まりを抑制することも可能です。
安全な位置からの点検が難しい場合は、専門業者に依頼しましょう。

その他、防水に関する費用や修理方法などについては、あわせて下記記事をご覧ください。
工場の屋根の防水工事にかかる費用や修理方法を解説

雨漏り修理の費用相場

雨漏り修理の費用相場

雨漏りの修理を業者に依頼する場合、費用相場が気になる方もいるでしょう。
ボルトの錆が原因であれば簡易な修理で済みますが、屋根自体に問題がある場合は大掛かりな修理が必要です。
主に下記3つの修理方法がありますが、それぞれ費用相場は異なります。

● 塗装工事
● カバー工法
● 葺き替え

修理方法ごとの特徴や費用相場を詳しくご紹介いたします。
※実際の費用は、工事会社・工事内容・工事時期によって変動しますので、あくまで目安としてご確認ください。

塗装工事

塗装工事は雨漏りの対処ではなく、メンテナンスとして行われることが多いです。
屋根表面の汚れを取り除き、上から塗料や防水コーティングを行います。
防水機能は数年で切れると言われているため、定期的にメンテナンスするようにしましょう。

1平米あたりの費用相場
波板スレート:5,000円〜8,000円前後
折板屋根:4,000円〜7,000円前後

カバー工法

カバー工法では、屋根の上から新しい屋根を取り付けます。
今ある屋根の処分が不要なため費用は比較的安く収まる点が特徴です。
一方で、屋根が重くなることから修理不可な建物もありますので、注意が必要です。

1平米あたりの費用相場
波板スレート:8,000円〜10,000円前後
折板屋根:5,000円〜8,000円前後

葺き替え

葺き替えでは、屋根を一度撤去したうえで新しい屋根を設置します。
処分費用はかかりますが、屋根が新しくなることで耐用年数が高まるので、ご予算に余裕があればご検討ください。

1平米あたりの費用相場
波板スレート:24,000円〜30,000円前後
折板屋根:13,000円〜18,000円前後

雨漏りの専門業者を選ぶポイント

雨漏りの専門業者を選ぶポイント

雨漏りが止まったからといって、そのまま放置するのは絶対に避けてください。
雨漏りを放置しておくと、例えば屋根裏に雨水が広まって電気配線に触れてショートするなどの事故にも繋がりかねません。
必ず専門業者に依頼するようにしてください。

しかし、専門業者を選ぶ際にもいくつかポイントがあります。
なかには悪質な業者も紛れ込んでおり、低品質なサービスや詐欺などの被害に合う可能性も0ではありません。
また、遮熱などの効果も業者によってさまざまなので、専門業者はしっかりと選定する必要があります。

少なくともこれから紹介する3つのポイントは確認するようにしましょう。

建築業許可証があるか確認する

施工価格が500万円を超える場合、建築業法上では国土交通大臣や都道府県知事が許可した資格「建築業許可証」が必要です。
とくに工場・倉庫の屋根を修理する場合、面積によっては修理金額が高くなる可能性もあるため、予め建築業許可証を持つ業者に依頼しておくと良いでしょう。
また、大きな施工ができるということは、それだけ信頼のおける業者であるとも考えられるので、参考程度に確認することをおすすめします。

過去の実績から選ぶ

公式ホームページや口コミなどを参考にして、過去の修理実績から選ぶのもおすすめです。
実績のある専門業者だと費用は高くなる可能性もありますが、その分だけサービスや修理のクオリティが高いと考えられます。
屋根は工場・倉庫の稼働を左右するものですので、最安の専門業者を選ぶのではなく、許容できる費用内で、できるだけ実績のある専門業者を選びましょう。

サーモグラフィによる雨漏り調査が行えるのかを確認する

専門業者に依頼をすると、修理の前に雨漏りの原因調査が行われます。
この際に、目視で調査をすると原因の特定が担当者の推測に留まり、最悪の場合は適切な修理が行われず、再び雨漏りが発生する可能性も考えられます。
一方で、原因調査を目視ではなくサーモグラフィで行う場合は、目視よりも正確な調査が可能です。
赤外線による温度変化で、雨漏りの侵入経路を特定できるため、可能であればサーモグラフィ調査を行っている専門業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

まとめ

今回は、工場の雨漏りの原因と対策を徹底解説しました。
雨漏りしている箇所を応急処置で対処したら、すみやかに専門業者に連絡して改修を行いましょう。
屋根のお困りごとは、綿半ソリューションズがおすすめです。
具体的には次の3つの特長でお客様に喜ばれ続けています。
また、独自の開発施設である「綿半技術センター」にて、工法の改良や新工法の開発も行っており、常に最新の技術を提供しています。

操業を止めずに修理が可能

綿半ソリューションズが提供するWKカバー工法は、工場・倉庫内にある設備や製品を移動する必要もなく、工場・倉庫の操業を止めずに修理を実施できます。
急な工事でも、従業員や取引相手に迷惑をかける心配もありません。

費用を抑えられる

WKカバー工法では、屋根の撤去が不要なため費用を安く抑えられます。
とくに2004年以前に作られた波板スレートの場合はアスベストが含まれており撤去費用が高くなるため、状況にもよりますがWKカバー工法が適していると考えられるでしょう。

工期が短く済む

既存の屋根を撤去する必要がないため、工期も短く済みます。
また、綿半ソリューションズの修理では、既存の外装に穴を開けない「インダイレクト工法」を採用しており、粉塵の抑制や漏水の防止が可能です。
お客様の操業を可能な限り普段どおりに行っていただきたく、最大限の考慮をして修理させていただきます。

綿半ソリューションズに少しでも興味がある方は、ぜひ資料請求もしくはお問い合わせをしてみてください。

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