近年ではゲリラ豪雨や地震などの影響から、浸水被害を受ける工場施設が増えています。本記事では浸水対策として、事前に用意できる8つの対策をご紹介しますので、工場関係者の方々はぜひ参考にしてください。
工場で実施するべき浸水対策
自然災害はいつ発生するのか予測ができません。とくに「ゲリラ豪雨」や「地震による津波(河川の氾濫)」は被害が大きくなる傾向にあるほか、漏電による火災などの二次災害に繋がる可能性もあります。いざという場合に備えて、これから紹介する8つの浸水対策はあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
ハザードマップを確認する
人命の安全確保が第一です。自治体や国土交通省からはハザードマップポータルサイトが公表されていますので、洪水・土砂災害・高潮・津波など、工場が置かれている地域の災害リスクを把握しておきましょう。リスクを把握しておくことで、適切な行動基準を定められるほか、従業員の危機意識の向上にも繋がるはずです。また、実際に災害が起きた場合に備えて、避難場所や避難経路などを事前に確認しておくことも重要です。地図にプリントアウトして、各室内の扉に目立つよう設置しておきましょう。
土のう袋・止水パネルを手配する
土や砂を含んだ「土のう袋」や、水をせき止める「止水パネル」は用意をしておきましょう。災害が起きた際に、これらを工場の周りに置いておけば、浸水を防ぎ、被害を最小限に留めることができます。「土のう袋」は購入費用が安く抑えられる一方で、災害時に持ち運ぶには重く、設置時に隙間ができやすい点に注意が必要です。もし不安であれば「止水パネル」のほうが軽量で簡単に設置ができるので、おすすめです。
業務用モップを用意する
敷地内に浸水してしまった場合の事後対応策として、吸水性の高い業務用モップは購入しておいてください。浸水被害によっては普通のモップでは対応できない恐れがあるため「水切りワイパー」「吸水ローラー」などがあると便利でしょう。
※モップはあくまで軽度な浸水の事後対応策としてご紹介しています。浸水時は危険なため避難を優先してください。
定期的に訓練を実施する
定期的に訓練を実施しておくと、緊急時にも焦らずに対応ができます。とくに「土のう袋」「止水パネル」は水害時にしか使わないものなので、使い方をあらかじめ把握しておく必要があるでしょう。また、訓練を実施しておけば避難経路も覚えられるので、従業員の人命確保にも繋がります。
避難訓練は法律によって指定された回数の実施が義務づけられていますが、なかにはシナリオがマンネリ化して困っている工場様もいるでしょう。自治体や消防署によっては、団体で防災訓練を受けられる場合もあるため、お申し込みをご検討されてみてはいかがでしょうか。
床に物を置かないようにする
パソコンや重要書類は、浸水被害を受けてしまうと故障・紛失に繋がりかねません。日頃から床に置かないようにしておくと被害を最小限に抑えられるでしょう。また、貴重品は1つの倉庫で保管しておくと、いざという時に持ち運びが可能です。信頼できる従業員には保管場所を教えるなどして、被災時にその場にいるメンバーで持ち出しができるようにしておきましょう。
日頃から排水設備を掃除する
排水溝・雨樋はゲリラ豪雨の際に、水を排水する役割を果たします。これらの排水部分が詰まってしまうと、災害時にうまく水が流れずに被害が大きくなる可能性があります。日頃からこまめに掃除をして、水が流れるような状態にしておきましょう。
耐久性の高いガラスを設置する
浸水の影響が大きくなると、工場のガラスが破損してしまう可能性があります。割れると敷地内に水が侵入してくるほか、破片を踏んで負傷者が出てしまうことも考えられるでしょう。耐久性の高いガラスに取り替えるか、ガラスフィルム・シャッターを取り付けるかして、対策しておくことをおすすめします。
拠点を分散する
1つの拠点に生産体制を集中させていると、被害を受けた際に生産ラインが停止してしまいます。そもそも拠点を分散させておく、もしくは予備の拠点を設けておくことで、生産稼働への影響を最小限に抑えられるでしょう。
工場で浸水対策を実施するべき理由
工場で浸水対策を実施するべき理由は主に2つあります。
従業員の安全を確保するため
まずは従業員の人命確保が最優先です。企業(工場)は、労働者の安全配慮に最大限の注意を払う義務があります。災害対策が甘いことで事故が発生した場合、遺族への謝罪・慰謝料、周辺住民への説明、最悪の場合は工場の稼働停止にまで繋がりかねません。緊急時には工場を守るよりも先に、従業員の安全確認・避難指示ができるような体制を整えておきましょう。
損害をできるだけ抑えるため
取引先への製品供給を滞らせないためには「設備」「製品」への影響をできるだけ最小限に抑える必要があります。とくに浸水被害で設備に影響が出てしまうと「修理費用」や、修理が終わるまでに発生する「機会損失」など、金銭的なダメージが膨らんでしまうでしょう。供給が滞ると取引先にも迷惑をかけてしまうので、できるだけ避けたいところです。
倉庫屋根の葺き替え費用についてはあわせて下記記事をご確認ください。
▶ 倉庫の屋根修理に必要な費用とは?修理方法と雨漏り対策についても解説
工場で浸水が起きた際のポイント
工場で実際に浸水が発生した際のポイントをご紹介します。下記3つのポイントを抑えて、緊急時でも焦らずに的確な対応をしましょう。
従業員の安全を確認する
浸水が発生した場合、まず行うべきことは従業員の安全を確認することです。避難警報が発令されていなければ、各現場で点呼を行い、従業員全員の「人命は安全か」「負傷者はいないか」を確認します。また、避難警報が発生されていれば直ちに避難指示を行いましょう。自治体のハザードマップに指定された避難施設に向かう、それが厳しそうであれば可能な限り高台に向かうなど、状況に合わせて的確な指示が必要となります。
被害予想を確認する
仮に避難警報が発令されていなくても、まだ安心はできません。ニュース・ラジオ・市町村の発表情報にアクセスをして「今どのような状況なのか」「今後どの程度の被害が想定されるのか」を必ず確認しましょう。今後の予測被害をもとに、取るべき行動を定めて、従業員全員に共有を行います。共有までの時間が遅れてしまうと、従業員を不安にさせてしまうほか、最悪の場合は危険に晒せてしまう可能性があるため、できるだけ早く共有を行いましょう。
重要書類や貴重品を避難させる
安全に最大限の注意を払ったうえで、重要書類や貴重品はできるだけ高いところに置いておく、もしくは持ち運んで避難をしましょう。
※最も大事なのは安全です。緊急避難命令が出ているにも関わらず、敷地内に引き返してまで持ち運ぶことは絶対に避けましょう。
工場の浸水対策なら綿半ソリューションズにお任せ
工場の浸水対策は綿半ソリューションズにご相談ください。水害時に自動作動する「防水板」の設置をご提案させていただきます。通常、水害時に用いられる「土のう袋」や「止水パネル」は設置を行うまでに時間がかかるため、緊急時に設置できない可能性があります。しかし、綿半ソリューションズの防水板は水の浮力で自動作動をするため、無人環境・停電時にも水の侵入を防ぐことが可能です。
また、ゲリラ豪雨対策として屋根の「バイパス樋」もご提案させていただきます。バイパス樋では、ゲリラ豪雨による雨樋のオーバーフローを防ぎ、雨漏りを防ぐことが可能です。雨漏りによる浸水を防ぎ、工場の生産稼働への影響を最小限に抑えることができます。
工場施設への自然災害の対策は綿半ソリューションズまでご相談ください。まずは無料で現地調査に伺いますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。