倉庫のスレート屋根が古くなり、雨漏りや劣化に悩んでいませんか?
ただ、リフォームを考えていてもどんな方法があるのか、費用はどれくらいかなど、初めての方にはわからないことだらけでしょう。
本記事では、スレート倉庫のリフォームの方法や注意点を丁寧に解説します。
スレート屋根に含まれている可能性があるアスベストの危険性についても説明するので、ぜひ最後まで目を通してください。
スレート屋根の倉庫をリフォームする際の3つの選択肢

スレート屋根の倉庫をリフォームする方法は、次の3つが考えられます。
● 塗装
● カバー工法
● 葺き替え
価格についても言及するので、参考にしてみてください。
塗装
スレート屋根が古くなった際には、工場や倉庫の見た目を改善・回復するための塗装が有効です。
単にイメージチェンジを図りたい場合にも向いており、比較的低コストで施工できます。
塗装費用の相場は1㎡あたり5,000円〜8,000円程度です。
ただし波形スレートが老朽化しているような場合は、塗装作業が行えないことがあります。
波形スレートが老朽化していると、高圧洗浄に耐えられずに割れてしまう可能性があるからです。
また2004年以前に製造されている場合は、アスベストを含んだ水が流出してしまう恐れがあるため塗装作業は難しいでしょう。
カバー工法
カバー工法は、既存のスレート屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねて設置する方法です。
葺き替えとは異なり屋根の撤去作業が不要なため、その分費用を抑えられます。
廃材がほとんど出ないことから、環境への負担も軽減可能です。
屋根が二重になることで断熱性や防水性が高まり、倉庫や工場の作業環境改善にもつながります。
一方で、屋根自体が重くなるため、建物の構造によっては施工が不可能な場合もあります。
費用は1㎡あたり8,000円〜10,000円前後が目安なので、葺き替えよりも低コストで済むケースが多い工法です。
葺き替え
既存のスレート屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に全面交換する工事方法です。
新品の屋根を設置するため耐久性が大幅にアップし、見た目も一新されます。
一方で、撤去費用や廃材処理費用が発生するため、総工費は比較的高額になりやすい傾向があります。
1㎡あたりの費用はおおよそ24,000円〜30,000円前後が目安です。
特に2004年以前に建てられたスレート屋根はアスベストを含んでいる場合があり、撤去時には特別な処理が必要です。
詳細は以下の見出しで説明します。
スレート屋根の倉庫リフォームを検討する際に
注意すべきアスベスト問題

スレート屋根の倉庫リフォームを検討する際に避けて通れないのが、アスベスト問題です。
2004年以前の建物にはアスベストが残っている可能性が高く、リフォーム時は注意しなければなりません。
ここではアスベストが危険視されるようになった背景と、義務付けられている事前調査について解説します。
スレート屋根のアスベストとは
アスベスト(石綿)は、極めて細い繊維でできている、天然に産出する繊維状の鉱物の総称です。
耐熱性・耐久性・防音性・断熱性に優れることから、20世紀半ばまでは世界中で広く利用されてきました。
日本でも戦後の高度経済成長期には年間約30万トンが輸入され、ビル・工場・倉庫・住宅など、さまざまな建物に使用されています。
屋根材の分野では、軽量で強度があることから「波形スレート」や「化粧スレート」に混ぜて成形されるケースが多く見られました。
ただし、現在は新たな製造・輸入・使用が法律で禁止されています。
理由については次の項目で詳しく解説します。
アスベストによる健康被害
アスベストの繊維を吸い込むと肺に沈着し、中皮腫・肺がん・アスベスト肺などの病気を発症するリスクが高まることが確認されています。
実際に、国内での健康被害報道(クボタショック)があり、社会的な関心が急速に高まりました。
アスベストは1970年代から段階的に規制が始まり、1995年には特に危険な種類が禁止され、2004年には建材や接着剤など多くの製品で使用が原則禁止となりました。
2006年には含有率0.1%超のすべての製品で製造・輸入・使用が禁止され、現在は新たに使われることはなくなっています。
しかし、2004年以前の建物には残っている可能性が高いので、改修時は注意が必要です。
事前調査結果の報告制度について
2022年4月の大気汚染防止法改正により、解体・改修工事を行う場合には有資格者によるアスベストの事前調査が義務化されました。
スレート屋根の改修工事も対象で、以下のいずれかに該当する場合はアスベストの有無にかかわらず、調査結果を所轄行政へ報告する必要があります。
● 延べ床面積が80㎡以上の解体工事
● 請負金額が税込100万円以上の改修工事
報告義務を怠ると、罰則や工事停止命令の対象となる可能性があります。
施工を依頼する際は、業者が有資格者を配置しているか、アスベスト調査や工事の実績があるかを必ず確認しましょう。
なぜスレート屋根の倉庫のリフォームにカバー工法が選ばれるのか

先ほど3つの選択肢をお伝えしましたが、その中でもカバー工法を選ぶ方が多くいます。
以下でその理由を説明します。
● 費用を抑えられる
● 工期が短め
● 稼働を止めずに工事できる
費用を抑えられる
カバー工法は、既存のスレート屋根を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねて施工する方法です。
屋根を取り外さない分、撤去費用や廃材処理費用が発生せず、葺き替えに比べて工事費を大幅に抑えられるメリットがあります。
アスベストを含むスレート屋根の場合、屋根を撤去せずに済むことで、撤去時の特別な処理や飛散防止措置が不要となり、安全性を確保しながらコストを削減できます。
工期が短め
カバー工法は既存屋根を撤去する工程がないため、工事の流れが非常にシンプルです。
撤去・廃材処理といった手間のかかる作業を省けることで、全体の工期を大幅に短縮できます。
たとえば中規模の倉庫であれば、天候に恵まれた場合、施工開始からわずか数日〜1週間程度で工事が完了することも。
工期が短ければ、人件費や現場管理費などの付帯コストも削減でき、総合的な経費圧縮にもつながります。
稼働を止めずに工事できる
カバー工法の最大の魅力は、倉庫や工場の稼働を止めずに屋根をリフォームできる点です。
業務を中止せずに工事を進められることで、出荷や生産スケジュールに遅れが出ず、納期遅延による取引先への迷惑や売上減少を防げます。
倉庫内の荷物や設備を移動させる必要がないため、移動作業に伴う人件費や作業時間も大幅に削減できます。
さらに、移動や仮置き中に発生しがちな製品の破損や紛失リスクを回避できることも大きな利点です。
特に、温度・湿度管理が必要な商品・精密機器。
重量物を扱う倉庫では、このメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
まとめ

今回はスレート屋根の倉庫のリフォームについて解説しました。
劣化したスレート屋根は雨漏りが発生したり断熱性能が低下したりするだけでなく、アスベスト問題にも直結するため、早めに対応したほうがいいと言えます。
リフォーム方法には「塗装」「葺き替え」「カバー工法」がありますが、費用を抑えられ工期も短く、さらに稼働を止めずに施工できる点から、カバー工法が選ばれるという話をしました。
私たちが提供するWKカバー工法は、操業を続けながら工事ができるため、生産や出荷を止めたくない方に選ばれ続けています。
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コスト・工期・安全性と3つのバランスに優れた会社でのリフォームを検討したい方は、ぜひ一度当社にご相談ください。
「WKカバー工法」とは?