スレート屋根にアスベストは含まれる?
見分け方・対策・処理方法を徹底解説!

スレート屋根の劣化や改修を検討しているとき、アスベストが含まれていないか心配になる方も多いでしょう。
アスベストはかつて建材として広く使用されていましたが、有害性が問題視され、現在では厳しい規制の対象となっています。
しかし、古い工場や倉庫では依然としてアスベスト含有のスレートが残っているとか。
この記事では、スレート屋根にアスベストが含まれているかどうかを見分ける方法や処分方法について詳しく解説します。
スレート屋根の改修を安全に行いたいときは、ぜひ参考にしてください。

スレート屋根にアスベストが含まれている年代はいつまで?

スレート屋根にアスベストが含まれている年代はいつまで?

アスベストは2004年に法的に規制されました。 つまり、それ以前に設置されたスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性があります。 ここでは日本におけるアスベスト規制の背景から健康被害を防止するための義務、法に則った対応方法までお伝えします。

日本のアスベスト規制の背景

アスベストとは石綿(いしわた・せきめん)とも呼ばれる天然鉱物繊維の総称です。
軽量で断熱性が高いことから、かつては建材として建物の屋根によく用いられていました。

しかし、アスベストは繊維のきめ細かさゆえに空気中に飛散しやすく、肺がんを引き起こす原因になるということで大問題に。
実際に2000年代に、大手機械メーカーの工場で勤務していた従業員やその家族らが肺がんで死亡した事件が報道され、「アスベスト問題」として日本国内の注目を集めました。
そのため、2004年には労働安全衛生法施行令が改正されてアスベストの使用が禁止され、2006年までに全面禁止になりました。


アスベスト含有建材の管理義務と法的対応

アスベストによる健康被害を防止するために、建築物や工作物の解体・改修を行う際にはアスベストを含有する建材の使用状況を事前に調査することが義務付けられています。
具体的には、書面による調査と現地での調査が必要です。
事前調査でアスベストの含有の有無を判断できなかった場合には、アスベストを含有する建材とみなして工事を行うか、分析調査によりアスベストの有無を判断することとなっています。

アスベスト含有スレートの見分け方

アスベスト含有スレートの見分け方

工場のスレート屋根がアスベストを含んでいるか見分ける方法は、以下の3つが考えられます。

● 設計図や建築時の資料で築年数を調べる
● 石綿含有建材データベースを確認する
● 専門業者に調査を依頼する

設計図や建築時の資料で築年数を調べる

最初の手がかりとなるのは設計図や建築時の資料です。
屋根材の種類や建築年が記載されていることがあり、アスベスト含有の可能性を推測するヒントになります。
特に2004年以前に設置された屋根材は、アスベストが含まれている可能性が高いといわれています。

ただし、これらの資料だけでは判断が難しい場合が多いため、より詳しい情報がわかるなら次の方法も試してみてください。


石綿含有建材データベースを確認する

アスベスト含有のスレート屋根を特定するために有効なのが、国土交通省と経済産業省が提供する「石綿(アスベスト)含有建材データベース」です。
このデータベースに建材名や商品番号を入力するだけで、その製品がアスベストを含んでいるかわかる優れものです。

ただし、外観だけで製品名を特定するのは困難で追加の情報収集も必要なため、屋根に関する詳細情報がわかっている場合のみ利用をおすすめします。


専門業者に調査を依頼する

上記の2つだけでは確実にアスベストを含んでいると断定することが難しいため、わからなかったら専門業者に調査を依頼してください。
2023年10月以降は有資格者によるアスベスト調査が法律で義務化されているため、撤去を考えているなら「建設物石綿含有建材調査者」や
「石綿取扱作業従事者」などの資格を持つ業者を探しましょう。

業者選びの際には過去の実績や口コミを確認し、複数の業者から相見積もりを取ると失敗しにくくなります。
不要に高い費用を払ってしまう可能性も低くなるため、手間だと思っても相見積もりをとってみましょう。

アスベストが含まれるスレート屋根の改修方法

アスベストが含まれるスレート屋根の改修方法

アスベストを含んだスレート屋根の改修方法は2種類あります。

● カバー工法で改修する場合
● 葺き替えを行う場合

カバー工法で改修する場合

カバー工法とは、既存のスレート屋根を撤去せずに上から新しい屋根材を重ねる改修方法です。
屋根を解体しないため、アスベストを含むスレート屋根でも粉塵の飛散リスクを最小限に抑えられるのが大きな特徴です。
施工期間が短く解体処分費用も不要なため、コストも抑えられます。

ただし、屋根材を重ねた分だけ重量が増えるため、建物の構造に問題がないか事前に確認する必要があります。
また、将来的には葺き替えが必要となる点を念頭に置いておきましょう。


葺き替えを行う場合

既存のスレート屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に取り替えるのが葺き替えです。
葺き替えでアスベストを含んだ屋根を撤去すれば、根本的にその工場のアスベスト問題を解決できます。

なお、アスベストを含むスレート屋根の場合、事前調査を実施し、専門業者による飛散防止対策を徹底する必要があります。
解体や廃棄処分費用がかかるため、コストはカバー工法より高くつくと思っておいてください。

アスベストが含まれるスレート屋根の撤去・処分方法

アスベストが含まれるスレート屋根の撤去・処分方法

最後にアスベストが含まれるスレート屋根の撤去・処分方法をそれぞれご紹介します。

屋根を撤去する

アスベストを含有するスレート屋根を撤去する際は、飛散防止対策を徹底すべきです。
石綿含有建材の撤去は「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」に基づき湿潤化を行いながら作業します。
湿潤化とは、アスベスト繊維が空気中に飛散するのを防ぐために水や専用の湿潤化剤を使用してスレートを湿らせることをいいます。

切断や破砕を極力避け、原形のまま取り外すのがアスベスト含有作業の原則です。
作業中に粉じんが発生した場合は、高性能の真空掃除機を用いて吸引し、現場内の清掃を徹底します。


取り除いたスレートを処分する

取り外したアスベスト含有スレートは、非飛散性アスベスト廃棄物として処理します。
処分の際は産業廃棄物処理法に従い、認可を受けた最終処分場に運搬する必要があります。

搬出前にも湿潤化や密閉包装を行い、アスベストの飛散防止措置を講じることが必須です。
また、処分時には他の廃棄物と混ざらないよう分別を徹底します。

法令を遵守しながら適切に処分しないと企業のレピュテーションリスクにつながるため、依頼する業者は慎重に選びましょう。

まとめ

まとめ

今回は、スレート屋根のアスベスト問題を撤去・処分方法まで含めて解説しました。
アスベストを含んでいると健康被害を引き起こす可能性があるため、葺き替え時には慎重に処分する必要があります。
スレート屋根の葺き替えができる業者はたくさんいますが、安全性を担保しつつアスベストを含んだスレート屋根を撤去できるかは別なので、しっかり実績を調べた上で依頼しましょう。

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