「遮熱塗料は効果がないって本当?」
「遮熱塗料を施工するメリットや費用について知っておきたい」
工場や店舗の担当者は、このように考えているのではないでしょうか。
遮熱塗料には太陽光を反射する効果があり、屋根や外壁に塗布することで、室内の温度上昇や建材の劣化を防ぐことができます。本記事では断熱塗料との違いや、遮熱塗料を屋根に施工するメリット・デメリットについて解説していきます。遮熱塗料は効果がないといわれる3つの理由も解説しているため、施工を検討している事業者は参考にしてください。
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遮熱塗料とは
遮熱塗料とは、太陽光や赤外線を反射する効果のある塗料のことです。屋根や外壁に塗布することで、室温が上昇する原因である輻射熱(ふくしゃねつ)が反射できるため、工場の暑さ対策を目的として施工されます。遮熱塗料にはアクリルやウレタンなどの合成樹脂が含まれており、使用されている主成分によって耐久性が異なります。
断熱塗料との違い
断熱塗料との違いは、寒さ対策が苦手なことです。遮熱塗料には熱伝導を絶つ機能が備わっていないため、冬の寒さ対策にはあまり向いていません。ただし室内の暖気をとどめることは得意なため、ある程度の寒さ対策は期待できます。暑さ対策と寒さ対策の両方を目的とする場合は、断熱塗料を利用するとよいでしょう。断熱塗料には中空セラミックビーズが含まれており、屋根や外壁に塗布することで外からの熱伝導をおさえる効果が期待できます。
遮熱シートとの違い
遮熱シートとの主な違いは、熱の反射率と耐用年数にあります。遮熱塗料の反射率は60〜80%前後といわれていますが、遮熱シートでは94〜99%程度の太陽光が反射できます。また耐用年数は商品によって異なりますが、遮熱塗料よりも長めに設定されているものがほとんどです。遮熱シートは、屋根の上面だけでなく裏面にも施工できるほか、熱源となる機械を包むことも可能です。工場内で発生している輻射熱への対応が必要な場合や、できるだけ長く使用したい場合は遮熱シートの利用を検討するとよいでしょう。
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遮熱塗料は効果がないといわれる3つの理由
遮熱塗料は効果がないといわれる3つの理由は以下のとおりです。
● 商品のグレードによって性能や耐用年数に差があるから
● 遮熱塗料だけでは高い効果が得られないから
● 塗りムラにより効果が発揮できていないから
商品のグレードによって性能や耐用年数に差があるから
遮熱塗料にはアクリルやウレタン、フッ素といった合成樹脂が含まれていますが、使用されている成分によって性能や耐用年数が異なります。安価な遮熱塗料には相応の成分が使用されているため、十分な効果が期待できないほか、短期間での塗り直しが必要になる場合もあります。耐用年数は短いものだと3〜8年、長いものだと15〜20年に設定されていることから、コストパフォーマンスを意識する場合はグレードの高い遮熱塗料を選ぶとよいでしょう。遮熱塗料だけでは高い効果が得られないから
遮熱塗料は単体では十分な効果が期待できないとされています。遮熱シートは94〜99%程度の太陽光を遮熱できますが、遮熱塗料では60〜80%とされています。より高い効果を期待する場合は、遮熱シートとの併用を検討するとよいでしょう。屋根や外壁には遮熱塗料、裏側には遮熱シートを施工することで、より高い効果が期待できます。塗りムラにより効果が発揮できていないから
遮熱塗料は他の塗料と比較して、塗りにくい塗料といわれています。そのため施工業者が遮熱塗料の塗布に慣れていない場合は、塗りムラが生じてしまう場合もあります。遮熱塗料の塗布を依頼する場合は、実績と技術を兼ね備えた業者へ依頼するとよいでしょう。遮熱塗料を屋根に施工するメリット
遮熱塗料を屋根に施工するメリットには、以下のようなものがあります。
● 遮熱効果により工場の暑さ対策が行える
● 空調効率がよくなるため節電につながる
● 建材の耐用年数が伸ばせる
遮熱効果により工場の暑さ対策が行える
遮熱塗料には太陽光を反射する効果があるため、輻射熱による工場内の温度上昇を防ぐことができます。工場内の温度が高いと従業員の作業効率が低下するほか、熱中症などの健康リスクも懸念されます。空気調和・衛生工学会の調査によると、従業員が快適に作業できる室温は26℃であることがわかっているため、工場の暑さ対策を実施して室温を調整するとよいでしょう。空調効率がよくなるため節電につながる
工場が暑くなる主な原因は、太陽光から発される輻射熱にあるとされています。太陽光を反射していない場合は、外からの熱が屋根や外壁から室内へ伝わってくるため、空調設備を使用しても効果が薄れてしまいます。しかし遮熱塗料を施工して外からの輻射熱が遮断できると、必要以上に設定温度を下げる必要がなくなるため、節電にもつながります。建材の耐用年数が伸ばせる
外壁や屋根などの建材は、太陽光から熱を受け続けると劣化の進行が早まってしまうといわれています。しかし遮熱塗料を施工すれば輻射熱が反射されるため、太陽光から屋根材を保護できるようになります。屋根や外壁の耐用年数をできるだけ伸ばしたい場合は、遮熱塗料などによる対策を行うとよいでしょう。遮熱塗料を施工する前に知っておきたいデメリット
遮熱塗料を施工する際は、以下のようなデメリットがあることを知っておきましょう。
● 高い効果を期待する場合は相応の費用が必要になる
● 断熱効果は期待できない
高い効果を期待する場合は相応の費用が必要になる
遮熱塗料は商品のグレードによって効果や耐用年数に差があります。そのため高い効果を期待する場合は、相応の費用をかけて遮熱塗料を購入する必要があります。費用をおさえて遮熱塗料を購入したとしても、全く効果がないわけではありません。しかし短期間での塗り直しが懸念されるほか、改めて施工が必要になることを考慮すると、最初から品質の高い塗料を購入したほうがよいといえます。断熱効果は期待できない
遮熱塗料は太陽光を反射することに特化しているため、冬の寒さを防ぐ目的での使用はおすすめできません。暑さ対策と寒さ対策の両方を期待する場合は、断熱材との併用を検討するとよいでしょう。断熱材には中空セラミックビーズが含まれており、空気の層を意図的に作ることで、外からの冷気が伝わりにくくする効果が期待できます。遮熱塗料を屋根に施工する価格の目安
遮熱塗料を屋根に施工する場合は、1㎡あたり3,000〜4,000円程度を目安にするとよいでしょう。ただし使用する遮熱塗料や施工箇所などにより価格が変動するため、最終的な費用は現地調査による算出が必要となります。現地調査や見積書の作成は無料で行えるため、予算の検討が必要な場合は当社までお問い合わせください。
遮熱塗料の課題が解決できるカバー工法とは?
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根を重ねる施工方法のことです。屋根と新設屋根の間に遮熱シートを敷き込む「遮熱工法」のほか、断熱材を敷き込む「断熱工法」による施工も可能です。
また、カバー工法と合わせて遮熱工事を進めることで、遮熱塗料の課題が解決できます。綿半ソリューションズで行った屋根の温度を測定する効果検証の結果、スレート屋根のみの場合は裏面温度が63℃と高温になりましたが、WKカバーの遮熱工法を施工した屋根では裏面温度が最高46℃、断熱工法を施工した屋根では43℃となりました。
カバー工法による施工を行うことで、遮熱塗料よりも高い効果が実感できるほか、暑さ対策や老朽化対策、雨漏り対策なども同時に進められます。
遮熱工事なら綿半ソリューションズにお任せください
遮熱塗料を屋根や外壁に施工することで工場の暑さ対策が行えるほか、建材の劣化を防ぐことができます。ただし断熱効果は期待できないことや、商品のグレードによって性能差がある点には注意が必要です。また遮熱塗料だけでは暑さ対策が不十分な場合もあるため、より高い効果を期待する場合は、遮熱シートやカバー工法との併用をおすすめします。
綿半ソリューションズでは工場の暑さ対策として、遮熱・断熱工事や気流改善工事を行っています。これらの工事を実施することで、工場内が暑くなりにくい環境を整えられるため、従業員の作業効率向上が見込めるでしょう。当社では長年の経験と実績を活かして、お客さまのニーズに応じた最適な提案が行えます。現地調査や見積もりの作成は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。