築年数の経った倉庫は、目に見えないところで屋根の劣化が少しずつ進んでいるケースも少なくありません。
トタン屋根は、かつて多くの工場や倉庫で採用されてきましたが、時間の経過とともにサビや雨漏り、断熱性の低下といった課題が表れやすくなってきています。
本記事では、倉庫や工場で使われてきたトタン屋根の特徴や種類を整理したうえで、劣化のサインや補修・張り替えを検討するタイミング、工事を依頼する際の考え方について分かりやすく解説します。
「自社の倉庫の屋根は大丈夫だろうか」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
トタン屋根とは?
トタン屋根とは、薄い金属板でできた屋根のことを指します。
軽量で施工しやすく、広い面積を一気に覆えるという特徴から、倉庫や工場で多く使われてきました。
現在では、トタンよりも耐久性や防錆性に優れたガルバリウム鋼板などの金属屋根が主流になりつつありますが、築年数の古い倉庫では今もトタン屋根が現役というケースは珍しくありません。
トタン屋根にはいくつか代表的な形状や工法があり、建物によって採用されているタイプが異なります。
瓦棒
瓦棒(かわらぼう)は、屋根の表面に細長い出っ張りが規則正しく並んでいるタイプの屋根です。この出っ張りの内部には木の棒が入っており、そこに金属板を固定する構造になっています。
内部に木材を使用している構造上、雨水の影響を受けやすく、外からは見えない部分で劣化が進むこともあります。
波形トタン
波形トタンは、屋根全体が波打ったような形状をしている屋根です。材料が比較的安く、施工もしやすいことから、倉庫や簡易的な建物で多く使われてきました。
現在残っている波形屋根の多くはトタン製で、古い建物ほど見かける機会が多いタイプです。
波のくぼみに水や汚れが溜まりやすく、サビが進みやすいという特徴があります。
屋根の一部が赤茶色に変色していたり、雨音が以前より大きく感じられたりする場合は、劣化のサインと考えられます。
折板
折板(せっぱん)は、金属板を大きく山形に折り曲げた、強度の高い屋根です。柱の少ない広い空間を確保できるため、倉庫や工場などの大きな建物でよく使われています。
現在は新しい金属素材が主流ですが、古い建物ではトタン製の折板屋根が使われていることもあります。
見た目が頑丈そうに見える一方で、接合部やボルト周りから劣化が進みやすく、気づかないうちに雨漏りにつながるケースもあります。
倉庫や工場で多くトタン屋根が利用された理由
トタン屋根が倉庫や工場で広く使われてきた最大の理由は、その扱いやすさにあります。
材料費が比較的抑えやすく、屋根面積の広い建物でもコストを抑えやすかった点は、事業用建物にとって大きな魅力でした。
また、軽いトタンは建物そのものへの負担が少なく、大規模な倉庫や工場にも適しています。
さらに、加工や施工がしやすく、工期を短縮できることから、短期間で建設を進めたいニーズにも合っていました。
こうした理由が重なり、高度経済成長期を中心に全国で一気に普及していったのです。
トタン屋根を倉庫で利用するメリット
トタン屋根は古い建物に使われているもの、という印象を持たれがちですが、倉庫用途においては今でもおすすめです。
トタンの最大の特長は屋根自体が軽く、建物の構造に大きな負担をかけにくい点。
保管物が多く、柱や梁に荷重がかかりやすい倉庫では、この「屋根が軽い」という性質は無視できません。
また、構造が比較的シンプルなため、破損や劣化の状態を把握しやすく、補修や交換の判断がしやすいのもメリットです。
初期コストを抑えられる点も含め、合理性が高い選択といえるでしょう。
倉庫のトタン屋根を張り替え・補修するタイミング
倉庫のトタン屋根は、劣化のサインが少しずつ表れてきます。
よくあるのが、屋根表面に見られる赤茶色のサビ・釘まわり・屋根の端部分の傷みです。
また、塗装が色あせたり剥がれたりしている場合は、屋根材が雨や湿気の影響を直接受けやすくなっている状態といえます。
劣化がさらに進行すると、屋根の浮き・変形・穴あきが起こり、雨漏りにつながることも。
雨漏りを放置すると、屋根だけでなく建物全体の修繕が必要になる可能性があるため、早めの対処が肝心です。
倉庫のトタン屋根は張り替え・補修どちらがいい?
トタン屋根の劣化に対する対応方法としては、「張り替え」と「補修」の2つがあります。
どちらが適しているかは、屋根全体の傷み具合や、今後その倉庫をどの程度の期間使う予定なのかによって変わります。
張り替えのメリット・デメリット
張り替えは、古いトタン屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する方法です。屋根全体を一新できるため、サビや雨漏りの原因を根本から解消でき、耐久性もアップします。
一方で、工事費用が高くなりやすく、工期も比較的長くなる点はデメリットといえるでしょう。
ただし、今後もその倉庫を長く使い続ける予定がある場合には、検討する価値のある選択肢です。
補修のメリット・デメリット
補修は、サビや穴あきなど、劣化している部分だけを直す方法です。張り替えに比べて費用を抑えやすく工期も短いため、倉庫の操業に影響しにくい点がメリットです。
ただし、屋根全体の劣化を止められるわけではなく、数年後に別の場所で不具合が出る可能性も。
補修はあくまで延命措置としての意味合いが強く「今すぐ全面工事は難しい」という場合に向いた対応といえます。
倉庫のトタン屋根工事を依頼する業者の選び方
最後に、大切な倉庫の屋根工事を依頼する業者を探す際に見ておきたいポイントを3つ解説します。
● 倉庫の施工実績が豊富か
● 見積書が分かりやすく説明されているか
● 保証や対応方法に安心感があるか
倉庫の施工実績が豊富か
まず確認したいのは、倉庫や工場の屋根工事をどれだけ手がけてきたかという点です。トタン屋根や金属屋根の施工実績が豊富な業者であれば、劣化の特徴や工事の注意点も把握しています。
Webサイトに施工事例が掲載されているか、倉庫や工場の写真が紹介されているかを見るだけでも、経験の有無はある程度判断できます。
見積書が分かりやすく説明されているか
見積書の内容は、その業者の姿勢が表れやすいポイントです。「工事一式」ではなく、材料費・工事費・撤去費などが項目ごとに分かれて記載されているかを確認しましょう。
また、現地調査の結果を踏まえ、なぜその工事が必要なのかを分かりやすく説明してくれるかどうかも重要な判断材料です。
保証や対応方法に安心感があるか
万が一、不具合が発生した場合にどこまで対応してくれるのか、保証やアフターフォローの有無も確認しておきたいポイントです。質問に対して曖昧な答えをせず、分からないことをきちんと説明してくれる担当者かどうかも見ておくと安心です。
まとめ
倉庫や工場のトタン屋根は、軽量で施工しやすいという特性から、長年にわたって多くの建物で使われてきました。
しかし、築年数が経過した屋根では、サビ・雨漏り・暑さといった問題が少しずつ表面化しやすくなります。
そうした中で重要になるのが「いつ・どの方法で・誰に工事を依頼するか」です。
業者選びの章でも触れたように、倉庫や工場の屋根工事では施工実績の豊富さや見積書の分かりやすさ、工事後の対応まで含めて判断することが欠かせません。
工事の内容そのものだけでなく、操業への影響や施工中の安全性まで配慮されているかが、業者選びの大きな判断軸になってくるはずです。
綿半ソリューションズ株式会社では、そうした現場の事情を踏まえた改修方法の一つとして、既存屋根を活かすWKカバー工法をご提案しています。
通常どおり倉庫を使用しながら工事を進めることが可能です。
無料の現地調査も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
