工場の暑さ対策のための換気方法4選

夏場の工場や倉庫は、まるでサウナのように暑くなってしまうことがあります。
エアコンを入れてもなかなか涼しくならず、作業の集中力が落ちたり、熱中症のリスクが心配になったりすることもあるのではないでしょうか。
「何か対策をしたいけど、何から手をつければいいのかわからない」と悩む方も少なくありません。

この記事では、工場内の暑さを少しでもやわらげるための換気の工夫について、基本から具体的な方法までわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

工場内の暑さ対策に換気が有効な理由

工場内の暑さ対策に換気が有効な理由

工場内の暑さ対策に換気が有効な理由は、室内にたまった熱を外に排出して外気を取り込むことで、温度上昇を抑えられるからです。
特に夏場は、工場内が外気温以上に熱くなることが多く、エアコンだけではなかなか涼しくならないケースも。
そんなときに大規模な換気を行えば、効率的に熱を逃がして涼しい風を取り入れられます。

これは、車内が高温になった際に、ドアを全開にして一気に換気するほうが早く涼しくなるのと同じ原理です。
エアコン単独よりも、換気を組み合わせることで冷却効果を高められるのです。

工場を換気する4つの方法

工場のような広い施設は、車のようにドアを開けただけでは全体を効率よく換気するのは難しいでしょう。
そこで、工場の換気方法を4種類紹介します。

● 熱気の拡散を防ぐ局所換気
● 吹出し口と吸込み口の2つを使用するプッシュプル換気
● 広範囲の換気に有効な全体換気
● 建物内の空気を置き換える置換換気

熱気の拡散を防ぐ局所換気

熱気の拡散を防ぐ局所換気
局所換気とは、熱・湿気・ニオイなどが発生する場所に直接排気口を設置し、すぐに外に逃がす換気方法です。
家庭のキッチンにあるレンジフードを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

工場でも、熱を出す大型機械のそばに換気装置をつけておけばその場で熱気を吸い出せるため、暑さが広がるのを防げます。
その結果、作業スペース全体の温度が上がりにくくなり、快適さがぐっと向上します。


吹出し口と吸込み口の2つを使用するプッシュプル換気

熱気の拡散を防ぐ局所換気
プッシュプル換気とは、空気の「押し出し」と「引き込み」をセットで行う換気方法です。
熱やニオイが出る場所の近くに、片方から空気を吹き出し、もう片方で吸い込むことで、狙った方向に気流をつくり出します。

作業スペースが狭く、換気装置を真上に置けない現場でも、空気の流れをうまくつくることで、熱やニオイを効率よく外へ逃がせます。
ただし、空気の流れがうまくいくように、送風と吸引のバランスを考えて設計することが大切です。


広範囲の換気に有効な全体換気

全体換気は、外の新鮮な空気を取り入れて、室内のこもった空気を少しずつ外に出していく方法です。
工場全体に行きわたる換気ができるため「希釈換気」とも呼ばれています。

窓や扉を開ける自然換気でもある程度の効果はありますが、広い工場ではファンなどの機械を使った換気が必要です。
屋根の上にあるルーフファンを使えば、天井にたまりやすい熱を外に逃がせるので、暑さ対策にも役立ちます。


建物内の空気を置き換える置換換気

置換換気は、工場に外から新しい空気を取り入れて、室内の空気を自然に上に押し上げながら外へ出す換気方法です。
冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまるという性質を活かして、空気の流れをつくります。

熱を出す機械がある工場では、暖かい空気が上に向かって流れやすいため、この方法が有効です。
作業する人のいる高さに新鮮な空気を届けられるので、暑さ対策だけでなく、ニオイや有害な空気のたまりも防げます。

機械を使った工場の換気についてもっと知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
工場内で換気が重要な理由とは?換気回数の目安や4つの換気方法を解説

工場の暑さ対策のための換気のコツ3選

工場の暑さ対策のための換気のコツ3選

暑さ対策を意識した換気をするなら、以下の点に気をつけてみましょう。

● 空気の循環を意識する
● 空調設備を導入する
● 空調を効率化する

空気の循環を意識する

暑さ対策には、工場内の空気を滞らせないことが大切です。
換気扇やサーキュレーターを使って空気の流れを作ることで、熱が一箇所にこもるのを防ぎます。

特に高いところや機械の後ろなど、空気が停滞しやすい場所は熱がたまりやすく、そこだけ室温が上がる原因にもなります。
空気の通り道を意識することで、熱がこもらない環境を作りましょう。


空調設備を導入する

高温が続く工場では換気だけでは限界があるため、空調設備がなければすぐに導入してください。
特にスポットクーラーやダクト型エアコンは、作業員の周囲を集中的に冷やすことができるため、熱中症対策にも有効です。

たとえば、大型機械の隣にスポットクーラーを設置することで、近くに熱を出す機械があっても作業者が暑さを感じずに作業できます。
換気と併用することで、より効果的に室温をコントロールできるので、空調設備が整っていない場合は取り入れましょう。


空調を効率化する

冷房の効きが悪いと感じたら、まずは熱を溜めない・入れない工夫が必要です。

たとえば、屋根や壁に断熱材を使ったり、遮熱カーテンで直射日光を防いだりすることで、外の暑さが室内に入るのを抑えられます。
また、冷たい空気の吹き出し口の向きを工夫すれば、涼しさを必要な場所に集中させることも可能です。

ちょっとした工夫を積み重ねることで、エアコンの負担を減らしながら、限られた冷却能力をムダなく活かせます。

工場の暑さ対策に使える換気設備

工場の暑さ対策に使える換気設備

最後に、工場の暑さ対策として有効な換気設備を3つ紹介します。

● 大型物件用換気棟
● クールルーフファン
● 大型シーリングファン

大型物件用換気棟

工場の屋根に設置する換気棟は、自然の空気の流れを使って、屋根裏にたまった熱や湿気を外に逃がす仕組みです。
特に大型物件用のものは、開口部が大きく、一度にたくさんの空気を動かせるのが特長です。

夏になると、屋根の下に熱がこもってしまい、室内の温度が上がったり、建物の傷みが早まったりすることもあります。
換気棟を取り入れることで、こうした問題を防ぎながら暑さ対策ができます。
電気を使わないので、維持費がかからないのもメリットです。


クールルーフファン

クールルーフファンは、外の空気を取り入れながら水の気化熱を利用して冷却効果を生み出す革新的な装置です。
暑い日でも、特殊なエレメントで外気をひんやりとした涼風に変えられるため、工場内の温度を効果的に下げられます。

空調機器だけでは室温を下げきれない大空間でも、クールルーフファンを併用することで居心地が良くなります。
環境にも優しく、ランニングコストを抑えながら効率よく冷却できるのがクールルーフファンです。


大型シーリングファン

大型のシーリングファンは、ゆっくり回るだけで広い工場内にしっかりと風を送ることができ、空気をやさしく循環させるのに役立ちます。
特にエアコンを使っている施設では、この風の流れによって冷気が効率よく広がり、暑い場所と涼しい場所の差を少なくすることができます。
たとえば、天井付近にたまりやすい熱を押し下げて、作業エリア全体に均一な温度を保つことも可能です。
また、においや結露、カビの発生を防ぐ効果もあり、しかも静かに運転できるので音が気になる現場でも安心して使えます。

まとめ

まとめ

今回は、換気による工場の暑さ対策についてご紹介しました。
夏場の工場や倉庫はとにかく暑く、作業がつらい、エアコンが効かないといったお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
そうした暑さに対応する方法のひとつとして、空気の流れを見直す「換気の工夫」があります。

当社では、大空間の暑さ対策に役立つ「気流改善対策」をご提案しています。
換気棟やクールルーフファン、大型シーリングファンなどを活用し、それぞれの現場に合わせた解決方法をご案内いたします。
工場の暑さでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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