工場施設に太陽光発電を導入したいと考えている人も多いでしょう。しかし、導入にあたってデメリットを感じる部分もあると思います。そこで本記事では、太陽光発電のデメリットをメリットとあわせてご紹介いたします。また、近年注目を集める「自家消費型太陽光発電」についても解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電の設置には、いくつかのデメリットがあります。
初期費用がかかる
太陽光発電を導入する際には、下記のような初期費用が発生します。▼設置費用の目安
・18~25万円/kW
※太陽光パネルメーカーの違いや施工規模によって価格は変動します
また、設置時には下記のような設備が必要になります。
•太陽光発電パネル
→太陽光発電には欠かせないパネルのことで、屋根上や平地に設置されるのが一般的です。別名「太陽電池モジュール」や「ソーラーパネル」とも呼ばれます。
•パワーコンディショナー
→太陽光発電パネルで生成した電力を、施設内で使える電流に変換するものです。•架台
→太陽光発電パネルを固定するためのものです。架台の高さや角度を調整することで発電効率を高めます。•発電量モニター
→発電状況や電気の利用状況を確認するものです。•蓄電池
→太陽光発電で生成した電力を蓄積するものです。日中に生成した電力を夜間や災害時に利用できるように、オプションで設置することが可能です。
これらの設備は、設置する面積が大きくなればなるほど費用が膨らむのが一般的です。
太陽光発電パネルのメーカーや設置枚数を決める際には、専門業者からの説明を受けたうえで慎重に進めましょう。
メンテナンスが必要になる
設備が増える分だけ、維持コストが必要になります。2017年4月に改正されたFIT法により、50kW未満の非FIT太陽光発電所以外の太陽光発電所は、定期的なメンテナンスが義務づけられました。また、太陽光発電パネルは屋根上に設置されるのが一般的であり、メンテナンスを怠ると、最悪の場合は事故に繋がる可能性があります。電力設備の老朽化が進むと発電効率が低下する恐れもあり、定期的なメンテナンスが必要です。
太陽光パネルの寿命についてはあわせて下記記事をご確認ください。
▶ 太陽光パネルの寿命は何年?寿命がきたときの廃棄・張替え方法を解説
設置できない建物がある
屋根が小さかったり、入り組んでいたりする場合や、屋根材の耐荷重が不足している場合には太陽光発電パネルを設置できない建物もあります。また、建物自体が老朽化していたり、沿岸に接していたりする場合には、メーカーや専門業者から設置を断られることもあります。
天候の影響をうける
天気や季節によって太陽光の入射量は変わります。それに伴い、発電量が左右される場合もあるでしょう。とくに降水量が多い地域や日照時間が短い地域では、十分な電力量を生成できない可能性があります。
反射光がトラブルの原因になる
太陽光発電パネルから反射した光が近隣住居へ差し込み、トラブルに繋がる場合があります。差し込まれた反射光はまぶしく、室温を高めてしまう原因になります。太陽光発電パネルを設置する前に、専門業者にシミュレーションを依頼して、問題がなさそうか確認をしておきましょう。
太陽光発電のメリット
太陽光発電の設置にはデメリットがある一方で、大きなメリットもあります。
デメリットとメリットを天秤に掛けたうえで設置の判断をしましょう。
電気代の節約につながる
電力会社からの電力供給を受けない分だけ、電気代を節約できるようになります。近年では、国際情勢が不安定になるにつれて、燃料価格が上昇して電気代が高騰してきています。
しかし、太陽光発電パネルで自家発電をしている場合には、このような電気料金相場の変動を受けずに済むため、費用的な観点では大きなメリットだと言えるでしょう。
停電の影響をうけない
工場施設の場合は、停電の影響で生産設備が停止するとさまざまなリスクが生じます。•事故に繋がる
•納品遅れが生じる
•食品などの在庫保管が難しくなる
太陽光発電があれば、蓄電池を設置することで事前に蓄積した電力を停電時に使用できます。とくに自然災害の多い日本国内では、BCP対策(事業継続計画)の一環として機能するでしょう。
CSR活動を推進できる
自然エネルギーを活用した太陽光発電はCO2の削減にも繋がります。そのため、CSR(企業の社会的責任)活動を大きく推進するきっかけになります。とくに近年では、SDGs(持続可能な開発目標)の一環としてエネルギー問題に注目が集められており、2030年までには再生利用可能エネルギーの利用割合を増やすことが国連総会で決議されています。
このような環境問題に対して先進的に取り組むことで、ブランドイメージの向上や雇用拡大などの効果を期待できるでしょう。
補助金を活用できる
太陽光発電の導入は、国や自治体を挙げて取り組まれているものです。▼例
・中小企業経営強化税制
→自家消費型太陽光発電を導入した際に、即時償却または取得価格の10%の税制控除を選択できる
・生産性向上特別措置法
→工場を新築する際に太陽光発電設備を導入することで、建屋の固定資産税を3年間ゼロに(もしくは1/2に)軽減できる
※補助金の実施時期や実施内容は変動するため、対象となる地域の公式HPなどで詳細をご確認ください
補助金を活用すれば、太陽光発電のボトルネックである初期費用をうまく削減して導入を進められるでしょう。
遮熱効果が期待できる
太陽光発電パネルが直射日光を反射するため、遮熱効果を期待できます。暑さを軽減できれば空調設備の負荷を抑えられるため、夏場の電気代を削減することも可能です。
また、冬場には太陽光発電パネルが熱の放射を防ぐため、室内の温度を一定に保つことができます。
近年注目を集める「自家消費型太陽光発電」
以前までは、太陽光発電で発電した電力を売買目的で販売する事業者が数多くいました。
余った電力を売る「余剰売買」や、発電した電力をすべて売る「全量売買」など、その方式はさまざまですが、近年では売買価格が毎年のように低下していることを背景に、電力をすべて自家消費に回す「自家消費型太陽光発電」が主流になっています。
また、2020年にFIT制度が見直され、50kW未満の発電設備は自家消費が前提になったこと、そして国際情勢が不安定になるにつれて、燃料価格が上昇して電気代が高騰していることなども「自家消費型太陽光発電」を後押しする背景になっていると考えられます。
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