太陽光発電の仕組みをわかりやすく解説|導入のメリット・デメリットも紹介

太陽光発電を導入する前に、その仕組みについて理解を深めたい方も多いでしょう。
本記事では太陽光発電の電力生成の仕組みについて解説いたします。
あわせて導入のメリット・デメリットもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

太陽光発電とは

太陽光発電とは

太陽光発電とは、自然エネルギーである「太陽光」を「電力」に変換する発電方式のことです。
屋根上や平地に設置した太陽光発電パネルから、太陽光を吸収して電力を生成します。
火力発電や原子力発電とは異なり、CO2や排気ガスを発生させない「再生可能エネルギー」として近年注目を集めています。

以前までは、太陽光発電と言えば余った電力を売る「余剰売買」や、発電した電力をすべて売る「全量売買」などの売買目的として導入されるケースがほとんどでした。
しかし最近では、売買価格の低下や電気料金の高騰を受けて「自家消費型太陽光発電」として導入されるケースが増えてきています。
一般家庭用だけではなく、工場施設などの産業用にも導入が進んでおり、環境保護の観点から国や自治体が総力を挙げて導入支援を進めています。

太陽光発電の仕組み

太陽光発電の仕組み

太陽光発電では、下記のような仕組みで電力が生成されます。

▼太陽光発電の仕組み
①太陽光が太陽光発電パネルに当たる
②太陽電池が「光エネルギー」を「電気エネルギー」に変換する
③パワーコンディショナーによって一般用の電流に変換される

太陽光発電パネルには、プラスの磁気を帯びる「P型半導体」とマイナスの磁気を帯びる「N型半導体」が貼り合わされて設置されています。
ここに太陽光が照射されることで、プラス極とマイナス極が生まれて、乾電池のように電流が発生する仕組みとなっています。
また、発生した電流は「直流」であり、一般利用ができないため、パワーコンディショナーを通じて「変流」に変換されます。
日中に生成された電力を蓄電池に蓄積すれば、夜間や災害時に利用できるようになります。


太陽光発電に必要なもの

太陽光発電では、下記のような設備が必要になります。

▼太陽光発電に必要なもの一例
・太陽光発電パネル
・パワーコンディショナー(電力を「直流」から「変流」に変換するもの)
・架台(パネルの高さや角度を調整するもの)
・発電量モニター(発電状況や利用状況を確認するもの)
・蓄電池(発電した電力を蓄積するもの※必須ではなく、オプション)

また、太陽光発電の設置には下記のような費用が必要になります。

▼太陽光発電の費用目安
・18~25万円/kW

※太陽光パネルメーカーの違いや施工規模によって価格は変動します

太陽光発電のメリット

太陽光発電のメリット

太陽光発電を導入するメリットについて、主に工場施設で導入することを想定して解説いたします。

電気代を削減できる

電気会社から電力を買う必要がなくなるため、その分だけ電気代を削減することができます。
もちろん電気料金相場の変動を受けずに済むため、世間的には電気代が高騰している状況でも、比較的安価で電力を賄うことが可能です。
とくに近年では、材料費や人件費などの高騰に頭を抱える工場関係者の方も多いでしょう。
固定費となる電気代を削減することは、工場全体の収支を改善するのに欠かせないことだと考えられます。

また、ここ数年は国や自治体からの補助金が手厚く、導入時のボトルネックとなる初期費用を実質軽減させることが可能です。

▼(一例)太陽光発電の導入に利用できる補助金
・中小企業経営強化税制
→自家消費型太陽光発電を導入した際に、即時償却または取得価格の10%の税制控除を選択できる
・生産性向上特別措置法
→工場を新築する際に太陽光発電設備を導入することで、建屋の固定資産税を3年間ゼロに(もしくは1/2に)軽減できる

※補助金の実施時期や実施内容は変動するため、対象となる地域の公式HPなどで詳細をご確認ください

BCP対策になる

地震や集中豪雨などの自然災害が多い日本国内では、BCP対策(事業継続計画)の策定が重要な役割を果たします。
BCPとは、自然災害が発生したときの被害を最小限に抑え、早期に通常業務を復旧させるための計画のことです。
とくに工場施設の場合、自然災害の影響で停電が発生すると下記のようなリスクが生じます。

•人身事故
•納品遅れ
•在庫の腐敗(ex:食料品)

とくに24時間体制で稼働している工場では、長時間の停電は致命的な損害に繋がる恐れがあります。あらかじめ太陽光で発電した電力を蓄電池に貯めておけば、災害時に対応することが可能です。

CSR活動になる

ブランドイメージの向上や雇用拡大などの効果を期待して、CSR活動を推進する企業が増えてきました。
とくに近年では、2015年に国連サミットで「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されて以降、日本国内でもCO2や排気ガスなどの削減に関心が集められています。
生産現場である工場施設で、このような先進的な取り組みをすることで、環境に配慮した工場であることを発信して地域社会との関わりを良好に保つきっかけに繋がるでしょう。

その他、工場の太陽光発電のメリットやデメリットなどは下記記事をご確認ください。
工場に太陽光発電を導入するメリットとデメリットは?設置条件もあわせて解説

太陽光発電のデメリット

太陽光発電のデメリット

太陽光発電を導入する際には、メリットだけではなくデメリットを把握しておくことも重要です。

設置コストがかかる

太陽光発電を導入すれば電気代(ランニングコスト)を削減できますが、設置時の初期費用は必要になります。最低でも下記金額は目安として見積もっておきましょう。

▼設置費用の目安
・18~25万円/kW
※太陽光パネルメーカーの違いや施工規模によって価格は変動します

国や自治体が積極的に導入支援をしているため、補助金をうまく活用すれば初期費用を削減できる可能性があります。
具体的な補助金額や申請時期は、所属する地域や時期によって変動しますので、インターネット上や役所などで公式情報をご確認ください。

定期的なメンテナンスが必要になる

太陽光発電では、太陽光発電パネルやパワーコンディショナーなどの機械設備が必要であり、2017年の改正FIT法により、50kW未満の非FIT太陽光発電所以外の太陽光発電所では、定期的なメンテナンスが義務づけられています。
太陽光発電パネルは地表に露出しているということもあり、とくに台風や積雪などの直後には注意が必要です。
故障を放置すると発電効率が低下し、電力を十分に賄えなくなるため定期的に専門業者にチェックを依頼しましょう。

電力供給が天候に左右される

太陽光発電では、太陽光により電力エネルギーが生成されるため電力供給が天候に左右されてしまう点はデメリットだと考えられます。
とくに日照時間が短い地域、降水量が多い地域では注意が必要です。
導入前に専門業者に発電シミュレーションを依頼すると、想定電力量を試算することができます。

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