「暑さで現場スタッフの作業効率が落ちている」
「夏になって、暑くて辞めたいという人が増えてきた」
「現場の暑さ対策をしたいが、コストや効果が分からず手が出せない」
そんな悩みを抱えている現場責任者の方は少なくありません。
夏場の工場は空調の効きづらさや熱源設備の影響で、室温が40℃近くになることも。
その環境下で働き続けるスタッフには大きな負担がかかっており、熱中症や離職のリスクにもつながります。
この記事では、工場が暑くなる原因を押さえたうえで、導入しやすく・効果的な暑さ対策についてご紹介します。
スタッフの安全と生産性、どちらも守りたい方はぜひ最後までご覧ください。
工場が暑くなる原因

工場が暑くなる原因は以下の3つが考えられます。
● 熱を溜めやすい構造
● 空調設定が省エネ温度
● 機械による排熱がある
それぞれ解説します。
熱を溜めやすい構造
工場自体が熱を溜めやすい構造になっていると、夏には工場が暑くなります。
特に金属屋根や黒ずんだスレート屋根の工場は日光の熱で徐々に室温が上がっていき、熱の逃げ場もないため、45℃まで上昇する危険性があります。
空気の入れ替えができていない工場も、熱がこもって室内の温度が高温になりがちです。
工場の室温上昇を抑えたいなら、まずは構造上の問題がないか確認してみましょう。
空調設定が省エネ温度
工場のルールで空調を省エネ温度に設定するよう決められているケースもあります。
面積が広い工場で省エネ設定にしてしまうと、空調が効きにくいため暑さを感じやすいです。
同じラインでも、作業する位置によって空調の効き具合が変わってきます。
全員に平等に冷気が届くようにしつつ省エネを意識したいなら、スポットクーラーを検討してみるといいでしょう。
スポットクーラーなら、作業員が使いやすいように空調の位置を適宜調整して使えるので、冷却効果を実感しつつエネルギー効率も上げられます。
また、工場の屋根をカバー工法で二重にすると、室内の温度が変わります。
空調設備の温度設定を省エネモードにしたまま作業環境を快適にできるため、環境にもやさしい工場になります。
以下のページで、カバー工法の効果の検証結果を確認できるので、気になる方はご覧ください。
「WKカバー工法」とは?
機械による排熱がある
機械の稼働による排熱も、工場内が暑くなる主な原因の一つです。
特に金属加工やプラスチック成形などの重工業では、大型機械が高温で稼働するため、多くの熱が発生します。
熱が工場内にこもることで室温が上昇し、結果として作業環境が悪化してしまうのです。
換気や冷却装置を導入しない限り、この熱は逃げ場を失い、蓄積されてしまいます。
機械の排熱対策も、工場内の温度管理において非常に重要なポイントです。
工場が暑くなる理由の詳細や熱中症対策については、合わせて以下の記事をご確認ください。
工場が暑くなる理由とは?作業効率を落とさない便利グッズも紹介
工場で暑さ対策が必要な理由

工場で暑さ対策が必要な理由は以下のとおりです。
● 従業員の「熱中症」を防ぐため
● 商品・サービスの品質低下のリスクを防ぐため
具体的に説明します。
従業員の「熱中症」を防ぐため
従業員の熱中症対策の意味合いが大きいでしょう。
室内でも高温多湿の環境下だと、熱中症を引き起こす危険性があります。
熱中症で倒れると、最悪の場合死に至ることもあるので、暑さを感じる場合は必ず対策が必要です。
従業員が熱中症で倒れて労災認定されないように、暑さ対策はしっかり行いましょう。
商品・サービスの品質低下のリスクを防ぐため
商品・サービスの品質低下のリスクを防ぐためにも暑さ対策は重要です。
取り扱う製品の性質によっては暑さで品質が劣化する可能性があります。
また、従業員にとって働きにくい環境だと業務効率の低下にも繋がるため、品質・サービスの仕上がりが悪くなってしまいます。
お客様にご満足いただくためにも、涼しく働きやすい環境作りは重要です。
ちなみに、工場の暑さ対策に使える予算が少ないと悩んでいる方は補助金の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
以下の記事にて、工場の暑さ対策に使える補助金制度の具体例を3つ紹介しています。
募集期限が過ぎていても、似たような条件で再度募集している可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
工場の暑さ対策に使える補助金3選!対策内容や注意点も
工場の暑さを抑えて生産効率を上げる室温

工場内の作業効率を高めるうえで、室温の適正管理が極めて重要になってきます。
工場内の室温は単なる「熱中症対策」ではなく、従業員のパフォーマンスを最大化する経営戦略の一環です。
適正な温度については、様々な研究が行われてきました。
たとえば、公益財団法人空気調和・衛生工学会が行った調査では、室温が25度から26度に1度上がるだけで作業効率が2.1%低下するという結果が報告されています。
コーネル大学の実験では、室温を20度から25度に上げたことでタイプミスが44%減少し、タイピング量が1.5倍に増えました。
株式会社インテージホールディングスの調査によると、内勤者が快適と感じるのは25.3度、外勤者では24度台という結果に。
許容範囲の室温と、快適に感じる適正温度は違うことがわかります。
また、厚生労働省の監修による「産業医の職務Q&A」では、日本産業衛生学会が定める作業別の許容室温が示されており、重作業においては26.5度が目安とされています。
これらの研究結果を参考に、快適な作業場を整えていきましょう。
工場の暑さ対策・グッズ9選

工場の暑さ対策に有効な対策・グッズを9つ紹介します。
1. クールタイプのボディシート
2. 冷却タオル・マフラー
3. 空調服
4. 冷水服
5. ビニールカーテン
6. スポットクーラー
7. 扇風機
8. 屋根用スプリンクラー
9. 遮熱塗料・遮熱シート
個人レベルで対策できるものから順番に見ていきましょう。
クールタイプのボディシート
クールタイプのボディシートは最も手軽で安価に購入できるアイテムです。
コンビニやドラッグストアにて300円程度でいつでも買えるので、工場が暑くて耐えられなくなったときに、すぐにボディシートで身体を冷やせます。
汗を拭くついでに、ひんやりした成分を全身に塗れば、しばらく快適に過ごせるでしょう。
ただし、持続性はないので一時的な気休めにしかならない点がデメリットです。
冷却タオル・マフラー
冷却タオルや冷却マフラーも個人で手軽にできる暑さ対策の1つです。
首に巻いておけば、暑い中作業していても熱中症になりにくくなります。
1,000円前後と、比較的安価に入手できるのも嬉しいポイントです。
水に濡らしたり保冷剤を入れたりするタイプの他に、特殊素材の冷感タイプがあるので、好きなものを選んで暑さ対策として活用しましょう。
空調服
空調服は、服に内蔵された小型ファンで外気を取り込んで、身体の表面を風が循環することで汗を効率的に蒸発させ、体温の上昇を防ぐ暑さ対策グッズです。
軽量で動きやすく、作業の妨げにならない設計も多いため、現場での実用性が非常に高いのが特徴です。
特に、広い工場や空調が行き届きにくい現場では、個人レベルで体感温度を下げられる空調服の効果は絶大。
クーラーが届かなくても体温調整できるので、熱中症で倒れる心配がなくなります。
ただし、空調の届きにくい場所や火気・熱源の近くで作業を行う場合、従来の送風式空調服では十分な冷却効果が得られないこともあるので注意してください。
水冷服
水冷服は、内蔵されたチューブに冷却水を循環させることで効率的に体温を下げる高機能な暑さ対策ウェアです。
外気温に左右されず安定した冷却性能を発揮できるため、空調服では暑すぎると感じる場所でも、水冷服であれば快適に過ごせることがあります。
最近では、バッテリー駆動のポンプによって背中・胸部・脇などの主要な冷却ポイントに水を循環させるタイプが販売されているので、効率よく冷却したい方はそちらがおすすめです。
ビニールカーテン
ビニールカーテンで空間を仕切って空調の効率を大幅に高める方法もあります。
冷気の拡散を防ぎながら必要なエリアだけを集中的に冷却できます。
たとえば、発熱量の多い機械周辺や作業集中エリアを囲うことで冷房効率が向上し、電力コストの削減につながるメリットも。
防塵や騒音対策としても機能するため、作業環境全体の改善にもなります。
ビニールカーテンの設置ならコストもあまりかからないので、手軽に試せる暑さ対策といえるでしょう。
スポットクーラー
スポットクーラーは自由に移動させられる小型クーラーです。
部分的に温度を下げるアイテムなので、作業場所が固定されている場合に有効です。
工場全体ではなく1人ずつピンポイントにクーラーを当てて冷やせるので、省エネにもなります。
作業者としてもスポットクーラーで効率的に体温を下げると、不思議と作業が捗ります。
価格は10万円しないくらいなので、数台導入するくらいなら工場としても導入しやすいでしょう。
扇風機
設置費用や光熱費を抑えたいなら、エアコンより大型扇風機がおすすめです。
大型扇風機は5,000円程度で買えるものもあり、100〜200万円が相場の工場用エアコンより安いので導入しやすいメリットがあります。
エアコンと併用して冷気を効率的に循環させられる効果もあるので、工場の作りに応じて設置方法を考えてみましょう。
屋根用スプリンクラー
屋根用スプリンクラーは、屋根に散水して工場内の気温上昇を防ぐアイテムです。
屋根に水を撒くことで、工場内の室温が5℃下がるというデータがあります。
工事費と水道代がかかりますが、エアコンより省エネで費用も抑えられます。
エアコン以外で室温を下げる方法を探しているなら、屋根用スプリンクラーを検討してみてもいいでしょう。
遮熱塗料・遮熱シート
遮熱塗料・遮熱シートは屋根に取り付けて熱を遮断し、工場内の気温上昇を防ぐものです。
直射日光から屋根を守れる効果があり、遮熱塗料を塗れば建材の寿命も延ばせます。
そもそも熱を溜めやすい作りになっている工場には、遮熱塗料や遮熱シートを使って根本的な暑さ対策をするのがおすすめです。
遮熱塗料・遮熱シートの効果を詳しく知りたい方は、以下の項目もご覧ください。
ちなみに「断熱」と「遮熱」の定義の違いがわからない方は以下の記事を参考にしてみてください。
遮熱と断熱の違いとは?遮熱材の特徴や最適な施工箇所をわかりやすく解説
工場の暑さを
根本から解決するカバー工法

工場の暑さを根本から解決するならカバー工法で屋根や外壁から対策することをおすすめします。
カバー工法とは、既存の屋根や外壁の上に新しい屋根・外壁を重ねる方法です。
カバー工法を施す際に遮熱シートや断熱材で対策すれば、涼しくて過ごしやすい工場になります。
以下の項目で綿半ソリューションズの遮熱シート・断熱材の効果を具体的に見ていきましょう。
遮熱シートの効果
スレート屋根と、新設屋根の間に遮熱シートを敷き込んだWKカバーⅡ型(遮熱工法)を比較した結果は以下のとおりです。
屋根の種類 | 最高裏面温度 |
---|---|
ストレート屋根 | 63.5℃ |
WKカバーⅡ型(遮熱工法) | 43.1℃ |
断熱材の効果
スレート屋根と、新設屋根の間に断熱材を敷き込んだWKカバーⅡ型(断熱工法)を比較した結果は以下のとおりです。
屋根の種類 | 最高裏面温度 |
---|---|
ストレート屋根 | 63.0℃ |
WKカバーⅡ型(断熱工法) | 43.0℃ |
このように、遮熱シート・断熱材を使ってカバー工法で屋根や外壁を改修することで、根本的に工場の暑さ問題を解決できます。
なお、カバー工法について詳しく知りたい方は、次のページも参考にしてください。
工場・倉庫の屋根にはカバー工法がおすすめ!メリット・デメリットや施工事例を解説
遮熱工事なら綿半ソリューションズにお任せください

今回は、熱中症になりそうな工場の暑さを解決するグッズや改善案を紹介しました。
個人レベルで対策するなら冷却タオルや水冷服で身体を冷やすのが、最も取り入れやすい方法です。
工場単位で根本的な対策が可能なら、遮熱シートや断熱材で室温を下げれば、工場が涼しくなるでしょう。
屋根や外壁に遮熱シート・断熱材を入れる工事を検討するなら、綿半ソリューションズにお任せください。
弊社の効果検証実験では、たとえば遮熱シートや断熱材を敷き込んで、カバー工法による改修をおこなうことで、スレート屋根の裏面温度が約20℃低下しました。
(詳しい検証データについては以下の記事をご覧ください。)
「WKカバー工法」とは?
綿半ソリューションズのWKカバー工法なら、外装に穴を開けない「インダイレクト工法」を用いて、粉塵や漏水を防ぎつつ安全に工事を進められます。
独自のセーフティシート上で作業することで、屋根を踏み抜く恐れがない点が安心できます。
工事中も工場は問題なく稼働できるため、改修工事の影響で業務に支障が出る心配もありません。
現場調査からご提案、屋根材の製造、施工管理まで弊社で一貫して行います。
製造から施工まで一貫しておこなえる会社は少なく、ワンストップで改修できるのが我々の強みです。
工場の暑さを根本的に解決したい方は、ぜひ以下の窓口よりお問い合わせください。