食品工場の暑さ対策5選|熱中症を防ぐ設備と運用のコツ【管理者向け】

食品工場の暑さ対策は、「冷房を強くすれば解決する」という話ではありません。
調理で発生する熱と蒸気、衛生管理のために開けられない窓、脱ぎにくい重装備……。
こうした制約が重なる食品工場では、「暑いと分かっていても、できることが限られる」というのが現場の本音ではないでしょうか。

この記事では、食品工場ならではの暑さの原因を整理したうえで、設備・装備・運用それぞれの面からできる対策を解説します。
施設管理や現場運営を担当されている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

食品工場の暑さ対策5選

食品工場の暑さ対策5選

ここでは、食品工場の現場で取り入れやすい暑さ対策を5つ紹介します。

● ビニールカーテンで空調効率をあげる
● 冷感ユニフォームを導入する
● スポットクーラーを置く
● 換気システムを整える
● 遮熱シートや断熱材を屋根に敷き込む

ビニールカーテンで空調効率をあげる

ビニールカーテンは、空調効率を高めるシンプルで取り入れやすい暑さ対策です。

食品工場では、人や台車の出入り、機械の発熱などによって冷房で冷やした空気が逃げやすく、広い空間ほど冷気が分散しやすくなります。
そのため、作業エリアや通路をビニールカーテンで区切れば、冷気の拡散を抑え、必要な場所に冷たい空気をとどめやすくなるでしょう。

室温の安定や空調負荷の軽減につながり、電力消費の抑制も期待できます。
比較的低コストで始めやすい点もメリットです。

冷感ユニフォームを導入する

設備面の対策と並行して、作業者一人ひとりの体感温度を下げる工夫も大切です。
食品工場では衛生管理の観点から厚手の作業着や帽子の着用が義務づけられていることが多く、熱がこもりやすい環境になりがちです。

そこで有効なのが、接触冷感素材を使ったユニフォームや冷却ベストの導入。
汗の蒸発を促す素材を取り入れることで、作業中の体温上昇を抑えやすくなり、熱中症リスクの低減が期待できます。
ユニフォームの全面刷新が難しい場合は、首元や脇などに着用する冷却グッズから試してみるのもいいでしょう。

スポットクーラーを置く

スポットクーラーは、必要な場所だけを効率よく冷やしたい場合に向いています。
食品工場では、加熱機器の近くや作業者が長時間立つ場所など、特に暑さが厳しくなるポイントが生まれやすいものです。

工場全体を強力に冷やそうとすると大きな電力コストがかかりますが、スポットクーラーなら高温になりやすい場所を集中的に冷却できます。
全体の空調を補う形で使えば、コストを抑えながら体感温度の改善を図りやすくなります。

換気システムを整える

空調設備があっても、空気の流れが整っていなければ工場内に温度ムラが生じることがあります。
熱や湿気がこもりやすい食品工場では、気流改善の視点が暑さ対策に欠かせません。
屋根裏に滞留した熱気を排出する換気棟、広い空間に風を届ける大型シーリングファン、外気を適切に取り込む給気設備などを組み合わせることで、温度の均一化と作業環境の安定が期待できます。

なお、最適な換気方法は建物の広さや構造によって異なるため、自社の施設に合った方法を専門家に相談しながら検討することをおすすめします。

気流改善対策

遮熱シートや断熱材を屋根に敷き込む

工場の暑さには、屋根から伝わる輻射熱(ふくしゃねつ)が大きく影響していることがあります。
その対策として有効なのが、遮熱シートと断熱材の活用です。
遮熱は太陽からの輻射熱を屋根の外側で反射し、室内への熱の侵入を防ぐ方法で、夏場の暑さに対して即効性が高いのが特徴です。

一方、断熱は空気層によって熱の伝わりを緩やかにするもので、夏冬を通じて室内温度を安定させる効果があります。
屋根材の間に断熱材を敷き込むことで、季節を問わず外気温の影響を受けにくい工場環境をつくることができ、長期的な光熱費削減にもつながります。

遮熱と断熱の違いとは?遮熱材の特徴や最適な施工箇所をわかりやすく解説

なぜ食品工場には独自の暑さ対策が必要なのか?

なぜ食品工場には独自の暑さ対策が必要なのか?

食品工場では、一般的な工場と同じ感覚で暑さ対策を考えてもうまくいかないことがあります。
食品工場の暑さ対策が他の業種と異なる理由は、主に以下の3つです。

● 調理熱と蒸気が混ざり合う
● 衛生管理のため窓を閉めておく必要がある
● 重装備で体に熱がこもりやすい

調理熱と蒸気が混ざり合う

食品工場では、加熱調理の工程で発生する熱や蒸気が室内にこもりやすく、体感温度が大きく上がりがちです。
暑さを感じる原因は気温だけではありません。湿度が高いと汗が乾きにくくなるため、体の熱が下がりにくくなります。
同じ気温でも、蒸し暑さの感じ方はまったく変わってくるのです。

調理設備が多い現場では熱と湿気が重なりやすく、温度計の数字以上に過酷な環境になっていることも少なくありません。
食品工場の暑さ対策では、室温の管理だけでなく、湿気や蒸気をどう外に逃がすかまで考えることが大切です。

衛生管理のため窓を閉めておく必要がある

食品工場では衛生上の理由から、外の空気を自由に取り込めないという制約があります。
虫やほこりの侵入を防ぐために窓を開けた換気が難しく、HACCPに対応している現場では異物が入り込まないよう、設備の使い方にも制限が出てきます。

たとえば一般の工場では効果的な大型扇風機も、食品工場ではほこりや異物を舞い上げてしまう恐れがあるため、気軽に設置できません。
使える手段が限られている分、空気の流れや換気の経路をきちんと設計する必要があります。
衛生面の制約を踏まえたうえで、どう空気を動かすかを考えることが、食品工場の暑さ対策では特に重要です。

重装備で体に熱がこもりやすい

作業者の服装も、食品工場で暑さを強く感じる原因のひとつです。
衛生管理のために頭巾・マスク・白衣・手袋を着用することが多く、肌が外気に触れにくい状態になります。
その結果、体の熱が外に逃げにくくなり、作業中に体温が上がりやすくなります。
ライン作業の途中で装備を外して体を冷やすことも簡単ではなく、熱がこもったまま長時間働き続けることになりがちです。

食品工場の暑さ対策では、作業環境の温度管理だけでなく、装備を着けたままでも涼しく感じられる工夫をあわせて考えることが大切です。

食品工場で熱中症を防ぐための対策

食品工場で熱中症を防ぐための対策

暑くなりやすい食品工場で、熱中症患者を多く出して労災と言われる事態は避けたいものです。
ここでは、工場がとるべき対策を3つ解説します。

● WBGT値を把握する
● 休憩場所を確保する
● 熱中症対策を研修内容に組み込む

WBGT値を把握する

現場の暑さを管理するときは、「気温」だけでなく「WBGT値」を使うことが大切です。
WBGT値とは、気温に加えて湿度や周囲からの熱(輻射熱)も合わせて、体への負担をひとつの数字で表した指標です。
食品工場では蒸気や加熱設備の影響で、室温の数値以上に体へ負担がかかることがあります。

作業場にWBGT測定器を設置して実際の値を確認し、数値に応じて休憩のタイミングや作業時間を調整することが、熱中症の予防につながります。

休憩場所を確保する

暑い環境で働き続けると、本人が気づかないうちに体に熱がたまり、熱中症になってしまうことがあります。
そのため、休憩時間を設けるだけでなく、きちんと体を休められる場所を整えることが大切です。

休憩場所が遠い・暑い・落ち着かないといった状況では、作業者が十分に回復できないまま現場に戻ることになりかねません。
使いやすい休憩場所の確保は、設備と同じくらい大切な対策のひとつです。

休憩場所の作り方や注意点については、次の記事にまとめています。
ぜひ参考にしてください。

工場の休憩室完全ガイド|レイアウト・法律・改修ポイントを徹底解説

熱中症対策を研修内容に組み込む

熱中症を防ぐには、設備を整えるだけでなく、現場で働く人の理解をそろえることも欠かせません。
初期症状の見分け方、体の異変を感じたときの報告ルール、正しい水分補給の方法、無理をしない判断の基準。
こうした知識を研修で共有しておくことが大切です。

対策を個人任せにしてしまうと、異変があっても気づかれにくくなります。
現場全体で予防する意識を持つことで、早い段階で異変に気づき、重症化を防ぎやすい仕組みを作りましょう。

まとめ

まとめ

食品工場の暑さ対策は、一般的な工場と同じ方法が通用しないケースが多くあります。
ビニールカーテンやスポットクーラーのような手軽な対策から始めつつ、換気システムや屋根の断熱・遮熱といった根本的な環境改善にも目を向けると、夏場だけでなく年間を通じて働きやすい現場に近づくでしょう。

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